駄菓子の多くは、もともと存在する食べ物を再現するように味つけがなされている。
その再現率の高さ、クオリティの高さは数十円で買える商品とは思えないほどである。
今回はその再現率の高い駄菓子をご紹介。
駄菓子は追い求めれば追い求めるほど深く、また広がっていく。
駄菓子スパイラルに陥った俺は最終的にどこにたどり着くのだろうか……。
スーパーハートチップル 焼肉焙煎にんにく味
10年くらい前にアメトーークでお菓子テーマの回で芸人さんが大絶賛してるのをみて、初めて存在を知ったお菓子だ。
多分西日本ではあまり馴染みがなく、少なくとも俺の通った駄菓子屋には置いてなかった。今回通販にて初めてのハートチップルとなっている。
焼肉焙煎にんにく。
なんて旨そうな響きなんだろうか。
俺は匂いのキツい、クセのある食い物が大好きなオッサンだ。さて、そんなオッサンの口に合うのか……。
開封し、袋に鼻を突っ込み嗅いでみる。意外とにんにく臭くない。これは予想外だ。
どれ、1枚食ってみる。ハート型のチップルをパク。
なるほど。噛めば噛むほど口から鼻にかけて広がる濃厚なにんにくの風味。食ってみてようやくにんにくのインパクトガツンと到来。
これはクセになる旨さだ。駄菓子としても、オツマミとしても優秀な存在だと思うけど、喰らうタイミングに気を遣う駄菓子だな。
軽いサクサクな食感で食べやすくて旨いけど、匂いが気になってしまうのが魅力であり欠点。
ただ飲み屋でハートチップルがパーティー開けされて出されたらガブガブ飲めてしまうだろうな。マジで旨いね!
サッポロポテト つぶつぶベジタブル
お菓子メーカー日本代表と考えてもいいだろう「カルビー」が誇る看板商品の一角を担うお菓子だな。(ちなみに、ポテトチップスやバーベQなども同格と考えている)
子どもの頃からお世話になってるお菓子。
野菜スティックを思わせる細長い形。ウサギのように前歯でカリカリサクサク食ったひとも多いのではないだろうか。
俺のなかでは「とんがりコーンを指にはめて食って、指まで噛んでしまう」に匹敵するほどの「駄菓子あるある」なのだが、どうだろうか。
オレンジ色のつぶには「にんじん」「赤ピーマンペースト」。赤色のつぶには「赤ピーマンペースト」「レッドビートパウダー」。緑色のつぶには「ほうれん草」。
またベースにも、じゃがいもやトマトペーストを含む七種類の野菜が練り込まれている。
練り込まれた野菜をイメージしながら食ってみると、「あっ、じゃがいも!」とか「これは、ほうれん草かな?」とか細かく味を実感することができる。
(噛んでから、鼻でふーんふーんするとより風味を確かめられるよ)
ところで、俺が子どもの頃(1990年代中頃)に食ってたサッポロポテトはこんなに大きな野菜のつぶつぶがあったかなあ。
コーンポタージュ
俺はコーンポタージュが大好き。
濃厚かつまろやかで優しいとうもろこしの風味が好きなんだけど、それをお菓子で再現しようとしたリスカは凄いと思う。
似たようなのが商品としては「うまい棒 コーンポタージュ味」があるが、甲乙つけがたい。と言うか、ほとんどおなじなのだ。
袋を開けたときに立ち込める「コーンポタージュ」の甘い香り。食べる前から頬が緩んでしまう。さくっときて、ふわりととけていく。
また「こだわってんな」と唸ったのが、ちゃんと「パセリ」が入ってるところ。リアリティの追求がたまらないポイント。
「一生食べ終わらなければいいのに」と思いながら、ひとつ、またひとつと食っていってしまう。とても美味しくて幸せな駄菓子。
おにぎりせんべい
おにぎりせんべいも大好きだったな。
こんがりと焼き上げたうるち米。砂糖と醤油の甘しょっぱいと言うか甘辛い味付け。
軽くまぶされた海苔の風味。堅すぎないけど、柔すぎない絶妙な噛み心地。バランス感覚抜群のお菓子だ。
「あれ、これは駄菓子なのか!!?」と言う疑問がわいたが、それを言い出すと「駄菓子とはなんぞや」と言う風な禅問答がはじまってしまうので、深く考えないようにしよう。