酷評されているけど、俺は大好きなんだ!
プレイステーション用ゲームソフト「めざせ名門野球部」。
プレイヤーは高校野球部の監督になって、選手たちを練習でしごいたり、コミュニケーションをとって信頼を受けたりしながら実績を積んで名門野球部と呼ばれるように奮闘するゲームだ。俺はこのゲーム大好きで、発売から20年近く経った現在でもたまにプレイして楽しんでいる。(なかなかハマらないが、一度ハマるとずっとハマり続けるタイプ)
しかし、Amazonのレビューなんかを見ていると、悲しいくらいに酷評の嵐。(と言っても現在2人しかレビューしていないという寂しさ。。。)
ホームラン級のションボリ。
試合が面倒くさい。
レビュアーの方のコメントを読んで「ああ、なるほど」と共感はすれども、「それでも俺はこのゲームが大好きだ」と胸を張って言える。
何が面白いのか。
このゲームは、言ってしまえばほとんど作業ゲーだ。
- 選手ひとりひとりの個性に合わせた練習メニューをあてがっていく。
- 時々、テンションが下がった選手がいれば声をかける。
- 怪我をしないように、ちょくちょく気を配り、設定を直す。
- 試合がはじまると、状況に応じた采配コマンドを選択する。
こんな作業を繰り返す。主力選手である3年生たちが卒業しても、春になれば新入部員が入ってくるからずっと続く。任期は最長20年。やろうと思えば20年分たっぷりと名監督気分を味わえるのである。気分は元常総学院の木内監督のよう。「俺は名将だ」と言う優越感に浸りながら、延々と作業を繰り返すのだ。
おそらく、こんな単調な作業を延々と繰り返すだけのゲームだから酷評されているのだろう。
でも、俺はこういう単調な作業を苦にしない人間なのだ。
ロールプレイングゲームでのレベル上げも、淡々と繰り返して序盤でラスボスを倒せるほど成長させてしまうくらいなのである。(ドラゴンクエスト3でいえば、アリアハン周辺のスライムやおおがらすを倒しまくって、ゾーマとまでは言わずともバラモスを倒せるほどに成長させる)
辛抱強いというわけではない。単純に何とも思わずに作業を続けられるだけだ。プレイステーション版のドラゴンクエスト7を何周もクリア出来るほど、作業ゲー、お使いゲーに向いた人間というだけである。
あれ?
面白いところをアピールしようと頑張ってみたのに、結局アピールできていない気がするな。
監督としての思い出を疑似体験出来るゲーム
結局、ここに落ち着く。ゲーム内とはいえ、3年間みっちり一緒に真紅の旗を目指して頑張った監督(俺)と選手との間には、外側からは見えない絆があるのだ。
卒業していくときには「ああ、コイツはこんなことで悩んでたな。でも、それを乗り越えて春夏連覇のエースになった」とか「コイツはサボってばっかりだったよな。でも、いざという時には頼りになる扇の要だったっけ」とか、本当の監督のように感慨深い思いで、選手を見送るという醍醐味があるのだ。
また、卒業していく選手から「ありがとうございました」と礼を言われたときには、思わず涙ぐみそうになったほどだ。
このように選手ひとりひとりに感情移入し、監督としての思い出を疑似体験できる。そんなゲームなのである。