雑記

陽気な春に稲川淳二の怪談を聴いてもいいでしょ!?

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去年の夏頃から稲川淳二の怪談にハマっている。

なかなか寝つけない夜に、ヘッドホンで聴いてると知らず知らずのうちに眠れるので、俺にとっては子守唄のような怪談話だ。稲川淳二の声質が心地いいのか、朝までぐっすりと眠れる。とはいえ、たまに「あっ、やっぱり怖いな」と思って目が冴えて逆効果になる場合もあるが、基本的にとても落ち着く。

 

 

稲川淳二の怪談って「終始おっかない話」や「しんみりする話」「何じゃそれと思う話」「怪談なのに笑ってしまう話」と多岐にわたる。怪談ライブをすると、どうしても何本かの話をしなくちゃいけないから、きっといろいろなジャンルの話を混ぜてメリハリをつけているんだろう。そのおかげで聞き手は飽きずに楽しむことが出来るのだ。

 

終始おっかない稲川怪談だと、「生き人形」(のろわれた日本人形の話で、それに関わる大勢の人が被害に遭う話。3,40分ほどのボリュームを誇る)が有名だろうなと思う。また、披露するたびに詳細が変わることがあるのも、飽きずに聴いていられる理由かもしれない。良し悪しは別として、成長し続ける夢の国のような怪談話だ。

 

 

しんみりしちゃう怪談話

 

しんみりする話で好きなのは、「少年が見知らぬ兵隊さんからお菓子を買ってもらう話」かな。

 

戦後まもなくの話。

どうしてもお菓子が欲しかった少年はお母さんとおばあちゃんにねだるが、時代が時代でそんな余裕はなく買ってもらえない。

諦めきれない少年は毎日のようにお店に行ってお菓子を眺めていた。

そこに立派な兵隊さんがやってきて、「坊主、どうしたんだ」と声をかけてきた。

少年はお菓子が欲しいこと、買ってくれないことなどを兵隊さんにうったえた。すると、見ず知らずの兵隊さんがお菓子を買ってくれた。

大喜びで家に帰った少年は、「そのお菓子はどうしたの!?」とお母さんに問い詰められる。

正直に語ったが、信じてもらえない。

息子が盗んできてしまったと思ったお母さんも、信じてもらえなくて悔しかった少年も泣いてしまった。

そこへ、おばあちゃんがやってきて事情をたずねる。

少年が語る兵隊さんの特徴を聞いたおばあちゃんとお母さんは、その兵隊さんが戦死してしまった少年の父親であることに気がついた。

 

というような話だ。初めて聴いた日が終戦記念日だったこともあって、何とも言えない気持ちになったのを覚えている。

 

一番笑った怪談話

一番笑った怪談は、「旅館の女将から温泉に『冷てえよ~冷てえよ~』と言う霊が出ると聴いてビビって温泉に入らず帰ってきた」って話。

 

結局、女将の話を聴いただけで、稲川淳二はただ温泉に入らず帰ってきただけ。全然怖い目に遭ってないのである。

 

そのままスムーズに次の怪談に移っていって笑った。

 

 

まとめ

わざわざまとめるまでもないが、このように稲川怪談は変幻自在。驚かせたり、ホッとさせたり、笑わせたりといろいろな角度から楽しませてくれる。

 

そのあたりは「さすがは芸人さんだなあ」と感服するより他はないね。聞き手を「怖がらせる」のが目的ではなく、あくまでも「楽しませる」ことに重きを置いているところが良い。他にもオススメしたい稲川怪談がたくさんあるが、今回はこの辺でとどめておくことにしよう。

 

興味を持たれたら、ぜひとも一度聴いてみることをオススメする。

 

 

 

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