思ひ出懐古録

ドッジボールは真似っ子で上達するものさ

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ドッジボールは大得意だったよ。
近隣の小学校の10校くらい集めて行われた、小さな大会だけど準優勝してるからね(* ̄ー ̄)
唯一と言ってもいいくらい、数少ないスポーツで出来る自慢だね。

 

俺はチームのキャプテンしてたんだぜ。
どのチームのやつらも、口を揃えて言ったね。「何なんだ、あのチビは!」って。

 

故・村山実ばりのザトペック投法だからね。体全部目一杯使って投げるから、目立った、目立った。自慢だけど、そこそこ球も速かったしさ。

 

でも、ちゃんと裏打ち出来る努力もしてたんだよ。

 

今回は俺がドッジボールの極意を教えてしんぜよう。

技術は目で見てぬすむのさ

ちゃんと速く投げるための試行錯誤、めっちゃしてたからね。

 

サクラマ君って2個上の先輩に、小柄だけどめちゃくちゃ速い球投げる人がいたの。俺も小さいから、憧れてね。

体のデカイ子たちが、文字通り吹っ飛ぶのよ。漫画みたいに。よく見ると、ボールが唸り上げながら浮き上がってんの。格好良かったなあ。

 

サクラマ君が投げるのを見てたら、何かわかるかもしれない!

って思って、休み時間や昼休み、放課後、ずっとサクラマ君が投げるところを見てた。

怪我と引き換えに得たヒント

そしたら、あるときサクラマ君がキャッチボールしてくれたんだ。そこで、初めて真正面からフォームが観られた。

で、思いきり突き指して包帯ぐるぐる巻きになっちゃうんだけど、ようやくヒントを掴んだ。

 

「あ! ボールを手首で巻き込むようにしてる」ってのがわかった。
つまり、サクラマ君も手が小さかったから、投げる直前までしっかりボールをキープするために巻き込んで固定してたわけだ。

それと腰の回転を軸にして、腕の振りを大きくすることで、遠心力をフルで使って投げてるのが感覚的に理解できたの。

 

で、そこからは真似た、真似た。何度も受けさせて貰いながら、真似た。そしたら、球速くなったんだ。失敗だらけの俺としては、数少ない成功体験だ。

 

サクラマ君の真似して、思うようにパワーアップ出来たことが自信になったんだろうね。かなり引っ込み思案な俺が、2年後にキャプテンやるんだもん。

終わりに

一番嬉しかったのが、自分が6年生になったときに1年生の子が「お兄ちゃんみたいになりたい」と真似してくれたことね。その子も今や25、6歳か。元気にしてるといいなあ。

正直、準優勝に関しては誇らしさより、悔しさがいっぱいで悲しい記憶なんだけど、サクラマ君の真似してたことや、自分が真似されたことは良い思い出として刻まれてるね。

 

上手い子や、自分がこうなりたい人を見つけて、真似っ子しなさい。真似っ子。

最初のうちは真似っ子でも、やり続けてれば段々自分が一番動きやすいフォームに変わってくるから。負けるな。

 

 

ちなみにサクラマ君は俺の走りの師匠でもある。
もちろん、走ってるのを見て、どういう手の使い方してるのか、足の使い方してるのか、どうやって体重かけてるのかを徹底して真似っ子した。

 

そしたら、やっぱり足速くなったもんね。友達の良いとこは真似っ子さ。良いことあるからやってみれ。

 

 

 

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