努力が報われず、落ち込んだときに観る映画
素晴らしき哉、人生!
今現在における、俺のベストオブ映画かもしれない。初めて観たときはボロボロ泣いた。
俺はバッドエンディングで終わるフィクションが大嫌い(理由は現実の大半がバッドエンディングなのにフィクションまでバッドエンディングを観たくないから)。この映画は途中主人公のジョージがあまりにも不憫に思えて息苦しくなるが、最後の最後でそれすらも沢山の人々を助けてきた結果だったとわかる。ちゃんと救いがあるし、報われる、とてもハッピーな映画だ。
以下はあらすじ・ネタバレ全開なので、自己判断で御覧ください。
あらすじ
夢のために頑張っても、人のために頑張っても、様々な弊害が起こって報われない人生を歩んでいたジョージ。
あまりにもひどい仕打ちが続き、誰も助けてくれず、金策も尽き、絶望して真冬の川に飛び込んでしまう。
だけど、変なおじさんに助けられる。そのおじさんは実は天使で、ジョージを優しく諭し始めた。「自分なんか生まれなければよかった」と嘆き、聞く耳をもたないジョージに、天使のおじさんは「望み通り無にしてやる」と言ってジョージを自分が存在しない世界を見せて回る。
ジョージがいなかった場合の世界(と言っても彼の生活範囲に限るが)は、ひどく荒んでいて、刺々しい人々で溢れていた。中には悪い意味で人生が大きく変わってしまっている人もたくさんいた。人のよかった友人も、大切な弟も愛した温かな街も、全部無くなってしまっていたのだ。
そして、彼は信じたくない光景を目の当たりにして、強く願う。
「私はまた生きたいんだ」
この願いは受け入れられ、ジョージは再び元の世界へと戻る。実は荒れ果てた街の様子は、ジョージが自ら再び生きていきたいと奮い立たせるために天使が見せた幻だったのだ。
ジョージは再び生きていけることの喜びと、自分が気づけなかった本当の幸せを噛みしめる。やがて、街中の人々が彼の家に集まり、お金を寄付してくれる。みな、ジョージに助けられ、支えられた街の人々だった。極めつけは、軍に行っていた弟までも駆けつける。
そして、不思議な本に気づいて開いてみると、そこには、「友こそが宝物だ。翼をありがとう。クラレンス」と書かれていた。(クラレンスは2級天使で羽を持っていなかったが、ジョージを救ったことで念願の羽を手に入れたのだ)
もしも、天使が現れずにいたらジョージは金策がどうにかなるのも知らずに終わっていたことになる。天使云々は別にして、人生はどんなことが起こるかわからない。
人生で、無意識のうちに大勢の人々を助けてきた男がちゃんと報われる温かい物語。
前向きになれるオススメの1本だ。