最大の懸念「チーズノーバーグ」と渾名をつけられるに違いない。
そんなことをすれば、きっと僕の知らないところで僕の渾名が「チーズノーバーグ」になってしまうに決まっている。
そして、アルバイト店員連中の間で
「あっ、チーズノーバーグさんのお出ましだぜ」
「どうする? 今日はピクルスだけ挟んでみるか?」
「やめとけって、アイツ今度こそ泣いちゃうぜ」
「大丈夫だって。気弱なチーズノーバーグだもん」
「がははは」
なんてやりとりされるに違いない。
妄想につぐ妄想で心が折れるチーズノーバーグさん
結局、僕は何のクレームをつけることなく、ひとり寂しくチーズノーバーグをもそもそと食べたのであった。
文句のひとつも言えない僕なんて、間抜けなチーズノーバーグがお似合いなのだ……。
そう考えると、先ほどまで味気ないように感じられたハンバーグが入っていないチーズバーガーも案外乙な食べ物な気がしてくる。よく考えてみれば、肉抜きのチーズバーガーなんてヘルシーで身体にもいいじゃないか。味だって結構美味しかったもの。よし、次回は店員にこう言ってやるとするか。
「チーズバーガーをひとつ。ハンバーグ抜きで!」
店員たちは一体どんな顔をするのだろう。とても楽しみでならない。
見てろ。俺をチーズノーバーグさんなんて渾名をつけたことを後悔させてやる!