キョンシー映画との邂逅
俺が最初に霊幻道士を観たのは、「1」で、幼稚園児の頃だ。
テッチャンという友達が家から幼稚園に「1」のVHSを持ってきたのを、幼稚園の先生が「せっかくだから、みんなで観ましょう」といって流してくれたのがきっかけだった。
よくよく考えてみれば、就学前の子どもたちに「霊幻道士」を見せる幼稚園ってなかなかファンキーだよなあ。怖いのが苦手な子もいただろうに……。下手したらトラウマになりかねないよね。
女子たちはドン引きしてたのかもしれないが、男子たちはドハマリしてね。その日のうちにキョンシーブーム到来ってわけさ。お札(キョンシーの動きを封じる護符みたいなの。黄色い紙に朱色のインクで文字が書かれている)を真似て作ってみたり、それをおでこに貼ってぴょんぴょん飛び跳ねたり、キョンシーごっこが大流行する。
そこから、俺は親にねだってレンタルビデオ店に連れて行ってもらうようになり、霊幻道士シリーズを観まくるようになったんだ。最初に借りたのは、たしか「5」。ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラっていう邦題サブタイトルのやつね。
何でも1~4までは、かの有名なサモ・ハン・キンポー先生が監督してたらしいんだけど、この「5」からは道士役でお馴染みのラム・チェンインが監督兼主演みたいな形になったぽいの。