去年、何気なく訪れた徳島刑務所前で偶然発見した「さしいれ屋」。
店名から察するに受刑者たちへの「さしいれ」を購入する店なんだろう。ドラマや映画なんかで観たことがある。でも、一体どんなものが並んでいるのかは知らなかった。
興味はあったけれども、結局お店には入らずじまいで帰ったのが昨年の話。
でも、やっぱり一度開いた好奇心の蓋は閉められないよね。ってことで俺は密かに「さしいれ屋」に再度行ってみることにした。
ところが開いてない日が続いたので、ある日思い切って電話をかけてみることにした。すると、女性が出て色々教えてくれた。
どうやら「さしいれ屋」は平日しか開いていないらしい。土曜日、日曜日、祝日はお休みなのだという。どーりで俺が活動する週末徳島観光で開いてないはずだ。
それからしばらく、俺は「さしいれ屋」を諦めきれずにネットで検索しまくった。すると、新たに興味深い情報を入手した。
とあるクチコミサイトの情報で、同店が「カフェ」とジャンル分けされていたのを見つけたのだ。ん? カフェ? もしかして刑務所前だからということで、「さしいれ屋」という名前をつけた喫茶店っていうことだろうか……。だとしたら、なかなか切れ味鋭いブラックジョークじゃないか。
俄然そそられる……。めっちゃ行きたい! 気になる……。
念願の「さしいれ屋」へ
とある平日、外出する用事があったため、コレ幸いとばかりに「さしいれ屋」にも寄ってみることにした。
ドアを開け、中を覗き込む。
中は「カフェ」というよりも、どことなく懐かしさを感じる「スナック」のような構造だった。よくわからないが、店に入ってすぐの正面頭上に巨大な魚拓なのか、魚の絵なのかが貼られているのがインパクトあった。
また、入り口付近には、茶色の紙袋に小分けされた、お菓子や細々としたものが丁寧に段ボールに詰められていた。
おそらくこれが「さしいれ」なのだろうと直感的に思った。
薄暗くてすぐには気づかなかったが、カウンター席の奥には店員さん(女性)がいた。おそらく先日電話対応してくれた方だろう。
少しだけ話をさせてもらった。
そこでわかったことは、どうやら今はカフェとしては機能していないようである。はっきりと言っていたわけじゃないけど、「さしいれ」以外はしていないと言っていた。
ただ、店の敷地内に「喫茶◯◯」と書かれた電飾スタンド看板が置いてあったから、かつては喫茶店としての顔もあったのだろうと推測。
「さしいれ」について教えてもらったことをまとめておこう。
さしいれ
受刑者へ面会などで直接「さしいれ」を渡すことは出来ない。「さしいれ」をするためには、この「さしいれ屋」さんを通して何とかという業者経由で持ち込まれて、ちゃんとしたルートを通して受刑者に渡せるようだ。
業者名は失念したが、何やらカタカナっぽい名前だったように思う。
そして、ちゃんと「どこ」の「誰」が「誰」に「何」を送るのかを明らかにする、書類が置いてあって、それに記述するなどして手順を踏んでいくようだ。
そういう話を聞かせてもらっていると、別のお客さんがやってきた。
邪魔しちゃ悪いし、俺がいたら込み入った話も出来ないかもしれない。ということでお暇することにした。
まとめ
カフェだったら何かしら注文して、その写真を撮って、いろいろと載せたいと思っていたんだけど、完全に雰囲気に飲まれて店内の写真や、差し入れの写真を1枚も撮ることが出来なかった(;・∀・)
ただ中に入って、「さしいれ屋がカフェではないこと」「さしいれの仕組み」「さしいれ屋の店内の雰囲気」などがわかって、スッキリした。
めでたし、めでたし。