薫りを嗅いでみる。よくわからないが、芳ばしい薫り。ふぅっとリラックス出来る嬉しい薫りだ。
一応クリームも置いてくれたが、まずは普通にブラックで飲んでみる。
ずずずーっ。。。
なんと言うことか。。。
コーヒーが旨いだと? 俺の舌はどうかしてしまったのか?
ひとくち含むなりパニックを起こす俺。
しかし、次第に冷静さを取り戻して気が付いた。
俺の舌がおかしいんじゃねえ!
マスターの淹れたコーヒーがうまいのだ!
と。驚いてカウンターで作業しているマスターを見やる。だが、マスターは静かに作業を続けるだけで、どや顔のひとつも作りはしない。
なるほど。ずずずー。この旨さは、ずずずー。マスターからすれば、ずずずー。いつも通りというわけか。ずずずー。