大阪での研修を翌日に控えた、その夜の話。俺は会社の厚意に甘えて前日現場入りしていた。
久方ぶりの大阪の夜だ。専門学生時代は毎夜のように呑みに繰り出していたものだ。若干たぎらせながらホテルを出た。
時刻は午後5時半。そろそろ飲み屋さんが開店し始めるだろうと予想しての時間選びだった。目当ての店も探索中にいくつか見つけていたので、まず一番近場の店に行ってみることに。
源八 江の木公園店
営業中と書いた札。店の雰囲気も良さそうだし、店前に並んだ写真つきのメニューを見てもうまそうだ。よし、ここだ。ここにしよう。
がらがらと引き戸をあけると、優しげな女性が迎え入れてくれた。カウンターでは常連さんらしき男女が、大将と楽しげに話していた。
とりあえず勧められるがままに、4人がけのテーブル席に座る。「飲み物はどうします?」と女性。うん、とりあえず生だ。「生中をください」「はーい」