赤と黄と緑の世界
地面に落ちた紅く色づいた葉っぱ。その下には土や雨にまみれ、ぼろぼろになった落ち葉たち。おそらく毎年この季節になれば、繰り返される光景なのだろう。栄枯盛衰の縮図を見ているようで、何とも言えない気持ちになるね。
芽吹き、葉を広げ、色づいて喝采を浴び、散り、朽ちていく。
桜の花見とは異なる哀愁。なるほど。道理で「愁」という字に「秋」が入っているわけだ。
そうかと思えば、まるで黄金の世界のように見える箇所もある。紅さだけが高揚ではないもんな。黄金色に色づく葉もあるのを忘れちゃいけないな。やがて訪れる最期ばかりに気を取られて、今に目を向けないのはよくない。
また山犬嶽を彷彿させる、苔むす緑の世界も飛び出してきて、日々の疲れをいやしてくれる。しかも、雨に濡れているおかげで青々としていて美しさが増しているではないか。