ふと「あれ? 俺、1回も観に行った記憶がない」と気付いた。それが船窪のオンツツジだ。
吉野川市の船窪オンツツジ公園で観られるオンツツジの群落は、国指定天然記念物であり、樹齢300年を越えるという。毎年5月半ばごろに満開になり、咲き誇るらしい。
だが、今年は自然の気まぐれにより、かなり早く見頃を迎えたそうで、俺が観に行ったとき(5月半ば)には、「散り始め」と書かれた看板が出ていた。
「行ってみなきゃわかんねえだろ!」と気にせず現場に直行。あの母衣暮露滝に向かう要領で愛車・鉄の棺桶3号を走らせた。BGMは小林旭メドレーである。
やっこさん(オンツツジ)が観られるスポットから700メートル手前に、かなり広い駐車場がある。そこで面白い出会いがあった。でもまあ、それは最後に軽く振り替えることにしよう。先にオンツツジをご紹介。
まずは散り始めというオンツツジまで到着。
金網の扉が開放されていて、中を歩いて探索できる。だけど、俺が訪れた時間が遅かったので少し写真を撮らせていただくのみにとどまった。
船窪のオンツツジ
たしかに散り始めつつあるんだけど、十分すぎるほど鮮やかで綺麗にみえた。
また、この日はちょっと雨も降ってて、少し濡れて、それがまた官能的な艶を感じさせるんだな。まあ剣山の紅葉のときみたいに見とれていた。
なんでも聞いた話しによれば、「霧がかかると幻想的な写真が撮れる」そう。また、散り始めると、地面に真っ赤な花がたくさん落ちるでしょ? それが赤い絨毯みたくなって、その上を歩くのも風情があっていいんだって。
ちょうど俺が訪れたタイミングが中途半端だったみたいで、「満開でない」し、「赤い絨毯もない」し、おまけに「霧も出てない」感じで、ないないづくしだったわけだが、それでも十分オンツツジの美しさや規模の大きさを味わえたわけだから文句無し。
まあ来年は満開のタイミングで訪れてみたいなとは思ったのは思ったけどね。
それにしてもでかい。さすがは樹齢300年超。片っ端から豪快なサイズで、眺めたのなんかほんの5分足らずだと思うんだけど引き込まれたもんな。思い返してみれば、桜のときもそうだったが、散り始めくらいが好きなのかもしれない。
一番儚げで、一番健気で、一番美しくて、一番見頃なのは散り始めと言われ始めたくらいなんじゃないかと思った。
芽吹いたときは芽吹いたときの。
花咲くときは花咲いたときの。
散るときは散るときの。
それぞれの良さがあるんだろうな。だからこそ、植物をこよなく愛する人たちが世界中にいるんだろう。そんな柄にもないことを花見しながら思ったわけよ。
すごいよな、花って。
俺みたいな無粋な男でさえポエマーにしちゃうんだから笑
さて、オンツツジ云々はここまで。とりあえず先に少しだけ触れた面白い出会いについて書いてみよう。
徳嶋ダイスケの新しい友達Hさん
駐車場スペースで出会った女性がいる。
その人はHさんと言い、御歳77歳という人生の大先輩。挨拶したさい、妙に気があったので立ち話がはじまった。大体1時間くらい話し込んだかな?
Hさんのプライバシーを守るため、内容は省略するけど、まあHさんの人生は凄まじかったといっておこう。いろんな仕事を経験して、77歳になる現在もバリバリ働いている偉大なる人生の大先輩。
Hさんは育て上げた子どもたちに3つの約束をしたそうな。
ひとつめは「仕事は好きだ、楽しいと思って取り組め」、ふたつめは「環境を恨むな」、みっつめは「人に好かれる人であれ」。どれもポジティブで素敵な約束だと思いながら、うんうんと相槌をうった。
さらに素敵なのがさ、子どもたち全員がそれを守っているってところ。「良い」って頭で理解できても、心で受け止めないと実行するのは難しいじゃない? それが出来てるってんだから、ホンマ立派だと感じた。
すっかり意気投合した我々は一緒に展望台までいって、散り始めたオンツツジをみることになったんだな。それが前述の感じね。
でね、そのHさん、田舎こんにゃく作ってるらしい。もし次会えたら買わせてもらうつもりなんだ。再会がホンマに楽しみで仕方ない。 ヒントはいくつかもらったから、必ず会ってみせるさ。
しかし、こういう出会いのある日に限って名刺入れを持ってきてないっていうね。まったく我ながら間が悪いというかなんというか笑
とかくオンツツジも散り始めとはいえ見ることが出来たし、ステキな出会いもあったし、いうことなし! それでは今回はここまで。それではまた、したらなー。