祖谷でお世話になってる、「祖谷の親父」と呼んでるおっちゃんがいる。前にBBQご馳走してくれたり、初めての渓流釣りに連れてってくれたおっちゃんである。
今回はなんと「松茸狩り」に連れてってくれるというので、「えー悪いよーでも良いのかい?」と断る気0で即連れてって貰うことにした。
松茸狩りというか、キノコ狩りそのものも初めてだったのでウキウキし通しだった。
この祖谷の親父と「ウマが合うなあ」と思うのは、せっかちで活動開始時間が早いことである。彼はいつもどんなに遅くても午前7時までには集合して、目的地へ向かおうとする。そこが俺とピッタリと合うところなのだ。
今回は自宅前まで迎えに来てくれるというので、待っていると新車に載った祖谷の親父が颯爽と登場。めちゃくちゃ格好いい軽トラみたいなのに乗って、「おう、乗れや」と不敵な笑みを浮かべる。「おはよーございまーす」と言いながら乗り込む。
自宅から10分15分ほど山道を超えてったところまで車で移動し、そこからは山を泳ぐようにして移動する。その道すがら、祖谷の親父がチラっと「おう、後から友達が2人来るけんのう」といった。
祖谷の親父の友達。豪快なアウトロー人生まっしぐらだった祖谷の親父の友達とは一体どんな人物なのか。ワクワクしかなかった笑
実際到着から30分後くらいには、その友達2人とも合流したのだが、祖谷の親父とは全然タイプの違う穏やかで知的なナイスミドルなおじさんと、もんぺ姿が良く似合う優しい女性だった。いわゆる幼馴染という感じだったな。(小学校時代の話なんかで盛り上がってて楽しそうだったし)
それはさておき、我々「祖谷松茸狩り本部隊」は草をかきわけ、倒木をよじ登ったり、くぐったり、ちょいとした滝(沢?)を渡ったりしながらドンドン奥へと進んでいった。
想像していたことだが、松茸を見つけるのは至難の業と言えた。
正直、キノコ狩り経験すら皆無な俺からすると、何をどう観察して動いていけばいいのかさえわからなかった笑 なので、ひたすら先輩たちの後を追いかけつつ、密かな趣味である「野生のキノコ撮影」を楽しみながら山道を歩きに歩いた。
基本単独行動で山に入る俺なので、こうして仲間たちとパーティを組んで山を歩いて進むのにはワクワクしたね。なんというかApex的な感覚? したことないけど笑 そんな感じがした。
でね、しばらく4人で辺りを探索していると、祖谷の親父が「あったど!」と雄たけびを上げた。
見に行くと、良い香りを放つ、確かに松茸を手に誇らしげに親父が笑っていた。
おおっ! 松茸って実在するんだ! と当たり前のことに感動しつつ、「ようし、俺も!」と気合いを入れて辺りを探索する。すると、親父の友達もガンガン見つけはじめた。
俺はというと、相変わらず全然見つけられなくて、他の3人の真似をして木の根元やら何やらをみたり、這いつくばってみたりしたんだけど、本当に見つけられないの笑
ちなみに画像は作戦会議をする祖谷の親父と友達。
しばらく探していると、また祖谷の親父が「あった!」というので今度は埋まってる状態の写真を撮らせてもらった。っていうかこんなに埋まってる状態のキノコ、よく見つけられるなあ笑
休憩中、「おう、ダイスケ。これ、こないだ採ったマッタケよ」とみせてくれたのがコレ。500mlのペットボトルよりもデカい松茸の写真。
「こんなん主やないですか」というと、親父もまんざらでも無さげに笑っていた。
それからしばらくすると、親父の女友達がタイソンの拳くらいはあるんじゃないかっていうサイズのものも含めて、10数本を10分かからずにゲットしてしまっていた。これには本当に驚いて、笑ってしまった。
で、「せっかくメンツも揃ってるわけやし、ちょっと尾根を進んでみるか」とワクワクする展開になっていった。それに俺としても「せめて1本くらいは見つけたい」という気持ちがあったので、「行きましょう、行きましょう」となった。
途中、綺麗な水の流れを眺めて癒されて、
「これ、かずら橋に使っとるかずらぞ」と教えてもらって、合間合間に勉強させてもらいながらガンガン山道を進んでいく。
ちなみにこの苔むす倒木は、「徳嶋転倒の木」と名付けた。
足をのっけた瞬間に、つるんと滑って真横に倒れて肩の筋肉を強打したいわくつきの木である。皆も山道で苔むす木を見つけたら、極力登らずにかわして進もうね。
で、あらかた皆の体力の消耗が進んだところで、時刻は午前11時。とりあえず一旦下山して、元の場所に戻ろうやとなり、降りていくことに。
道中、「わたし、ここの景色好きなんよ」など先輩たちがいうスポットを眺め、「確かに良いな」と思うポイントを撮影しながら来た道を戻っていく、松茸収穫0本の俺。
でもね、やっぱりアレだよ。たしかに釣りでもそうだけどさ、いっぱい釣れたり、いっぱい収穫できたりするとスゲー嬉しいんだけど、こうして冒険出来ること自体が嬉しくて、幸せだなあ。「ぼかあ、しあわせだなあ」と感じられちゃうんだな~、俺は。
だってさ、こんな深い山なんて地元の詳しい人でもいないと入れないよ。日本中で迷子になってんだから、こっちは笑
で、祖谷の親父たちのはからいで、もう1か所可能性のある場所へといってはみたんだけど、結局俺だけ1本も見つけられないままタイムアップを迎えてしまった。
でも、パーティ組んでの冒険は楽しかったし、キノコ撮影もたくさんできたし、新しく友達も出来たしで俺としては十分満足だったわけ。
ところがどっこい、やっぱり祖谷の人というのは人を手ぶらで帰さない笑
一番たくさん収穫した女性が、「持って帰りな」と2本立派な松茸をプレゼントしてくださったのだ。これには恐縮。いや、恐縮越えて失神するかと思ったよ。
だってさ、これだけのガチ国産で、収穫したての15センチ級の松茸だよ? 食ったことねえから、相場もわかんねえよ笑
相場とか金額とかそんな下世話な話じゃなくてさ、みんなでポンポンと分け合う感じがスゲー嬉しいというか、良いなって思ったのさ。
で、いただいた2本の松茸はありがたく、帰宅後考えに考え抜いたあげくに大切にいただいた。
そのTHE徳島県産ガチ松茸記事もあげるから、お楽しみにということで。
今回はここまで。それではまた、したらなー!