俺には、なまこマンさんという最大のライバルであり、同志がいる。
今年某日、なまこマンさんからメッセージが届いたことがきっかけで、年末に会って一緒に飲む約束をした。こうしてなまこマンさんと初対面は、まさかのサシ呑みでということになった。
お店はなまこマンさんが選んで、予約してくれた安兵衛。
大衆割烹の冠に違わぬ、街に溶け込むような佇まい。玄関も、「誰でもいらっしゃいませ」と受け入れてくれそうな、温かな表情をしている。
少し待ち合わせよりも早くについた為、外に展示されているメニューを眺めて過ごす。
なんという豊富なメニューだろうか。
全部を食べ尽くし、網羅したという強者はいるのだろうか。仮にいるのなら、一度会って話を聞いてみたい気がする。
佇まいやメニューを眺め、撮影を済ませたあと、少し離れたところで立って、記事を書きながら過ごしていた。しばらくすると、誰かが目の前を通りすぎたのに気付いた。顔を上げると、目があった。体の大きな男性だった。なまこマンさんだ。道端でお互いに挨拶。
良かった。クレイジーな人だったらどうしよう。そんな不安はすぐさま解消されたからである。優しそうな、穏やかそうな人で安心した。もっとも、今まで読んできた記事や、やりとりから理知的な印象があったので、イメージどおりの第一印象。ほっと肩を撫で下ろす。
少し早めだったが、ダメ元で入店してみた。すでに店内はたくさんのお客さんでごった返していた。予約してくれていたカウンターに通され、我々は並んで席についた。
かなり混んでいたので、なかなかドリンクを頼めなかった。だが、なまこマンさんはよく話してくれる人で、なおかつ聞き上手。楽しく会話をしながら、ゆったり注文を聞きに来てくれるのを待つことができた。
その際に、なまこマンさんからたくさんお土産をいただいた。
中身に関しては、また別枠で改めてご紹介するとして、かなりたくさんいただき、恐縮である。
オリジナルシールがめちゃくちゃ嬉しい。
俺も名刺を渡したかったが、ちょうど切らしており渡せなかったのが心残りだ。
そうこうしているうちに、最初の注文チャンス。
まずは飲み物を。なまこマンさんは、スダチハイボール、俺は生ビール(中)。そして、気になったメニューをいくつか相談しながら注文した。
乾杯しつつ、積もる話をした。
詳しい内容に関しては秘密だが、同じ志を持つ者同士、話しは合った。似たような葛藤や悩みがあるものだと、妙に安堵した。
話が盛り上がったところで、刺身盛り合わせが来た。
まぐろ、イカ、はまち。ほどよく脂の乗っかった刺身たちは、我々の酒宴を綺麗に彩ってくれた。やっぱり華やかだよね、刺身盛り合わせって。やっぱりテンションが上がる。
刺身をふたりで「旨い、旨い」と食べていると、
こいつがやってきた。
うつぼの唐揚げ
これは我々が最も気になったメニューのひとつで、やってきた瞬間の胸の高鳴りはなかなかのものだった。早速いただいてみる。
サクッ!
揚がり具合。身の弾力。香ばしい匂い。心地よい歯ごたえ。抜群のバランスで、ビールが進んだ。めちゃくちゃ旨い。
ハイボールやビールなどの炭酸にもよく合う。まさにアテ。これ、家でも食べたいなあと、わりかし本気で思った。
最近テレビで、うつぼ専門の飲食店が紹介されてるのを観たのだが、うつぼって調理が難しいらしい。だから、あまり提供するお店が少ないんだけど、かなり旨い食材なので、もっと一般的になるといいな。
我々は舌鼓を打ちつつ、酒をすすり、話しまくった。やはり、共感の深さが違う気がした。いわゆる「友達」とは異なる、単なる「知人」でもなく、「同志」のありがたみ。何かに夢中となり、それをさらけ出してないと出会えない存在と感覚。
そんなことを噛みしめつつ、表情はへらへらさせながら楽しんでいると、食べ物がなくなった。慌てて追加注文していく。「まだ、アレがきてないなあ」なんて思いながら。酒のお代わりもした。なまこマンさんは、焼酎ロック。俺は角ハイボール。
しかし、カウンター呑みも良い。
店の活気をダイレクトに味わえるのが最高だ。忙しなく働くお店の方々。ほうぼうから飛び交う注文の声。生け簀に泳ぐ魚たち。
飾られたサインや写真に目をやる。
「吉田類さん!」と心の師匠の写真や、金属バットやジェラードン、ひょっこりはんの寄せ書きサインを見つけた。
そんなこんなしているうちに、やってきましたるるは、
焼き鳥(かたい)&焼き鳥(やわらかい)
つくね焼き×2
串ものもめちゃくちゃ旨い。かたいとやわらかいを交互に食べれば、食感が変わって、噛むリズムを楽しめる。つくねも、ほどよいボリューム感があり、味も量もともに満足感が高い。
喰って笑って、呑んで笑って、喋って笑ってしていると、そこにとうとうやってきた。
待ちわびまくった、アイツ!
うつぼのタタキ
みて、この皮の感じ。無人島生活でしか観たことないよ。
ぽん酢につけていただく。まずは薬味なしで……。
うめぇ!
身はぶるんぶるんと強い弾力。でも、噛みきれる柔らかさもある。そして、皮のとぅるとぅる具合も良いアクセントになっている。海のギャングとして、海中をぶいぶい言わせていたであろう、うつぼ。食べてみると、思いの外繊細な肉感。
薬味にニンニク乗っけて喰うのも、べらぼうに旨い!
こいつは俺も焼酎か、日本酒にすれば良かったかもだが、単純に食べ物として旨い。この日のMVP、こいつかもしれないと思ったな。
最後に追加注文。
和田島産ちりめん生酢ってのをお願いしたんだけど、人気メニューらしく売り切れだった。なので、代打として、わかめの酢の物、そして、チェイサー代わりに○○サイダーを注文。(失念したので、調べてみたがわからず。なまこマンさんの記事に載るかも笑)
わかめの酢の物
強めの酸味のなかに旨味が詰まったわかめの酢の物。刻んだ生姜が味の奥行きをサポート。
ふと思い出した。子どもの頃、酢の物が苦手だった。いつの間にか平気になり、気付けば好んで食べるようになってたっけな。ある種の大人の味なのかもしれないな。
○○サイダー
初めてみるサイダー。氷たっぷりのグラスに注いでいただく。サイダーの清涼感に癒される。真冬だけど。
最後はこのサイダーを飲みながら、しわしわ語り、21時前にお会計。
店を出、また会う約束をして別れ、俺は駅に向かった。
いやあ、あっという間のひと時だった。帰りは汽車に揺られながら、楽しかった記憶、美味しかった記憶を思い返しつつ、眠気と戦いつつ、少しずつ自宅の最寄り駅に近づいていくのだった。
振り返り
ホンマに楽しかった。
他愛のない話も楽しかったし、ローカルブロガーの同志としての共感も新鮮だったし、終始最高だった。何よりイメージしていたとおり、なまこマンさんは洞察力も凄かった。俺の細かな隠し味を見事に見抜いており、「ああ、さすが。我がライバル」と思わずにはいられなかった。
それに、良いお店をチョイス、予約していただいたことも、ありがたかったし、大量のお土産までいただき、めちゃくちゃ恐縮。こりゃ、俺も徳嶋SPECIALを組まねばならんね笑
また、愛知県に遊びに行く際には、一緒に遊ぼうと約束しているので、来年は20年ぶりに愛知県に乗り込んでいこうかなと考え中。
それでは今回はここまで。それではまた、したらなー。
なまこマンさん、このたびは誠にありがとうございました!
また会おう! したらなー。