季節外れのノロウイルスにやられてて、水分を主食に丸2日ほど過ごしていたのだが、
それでも体重は落ちないもんだね。逆になんでかちょっと太っちゃった。
何と自己最高の60キロに迫ろうとしてるんだから。まったく不思議なものだ。
運動しても痩せねえ。病気してほとんど喰わずにいても痩せねえ。もう一生痩せねえんじゃないかな。。。
それはさておき、随分前にここでも書いた「映画のチラシが云々」についてだ。
あの後、とんとご無沙汰になっていたのだが、
実はひそかに協力者数名に力を借りて200枚程度かき集めている。
昔から好きな映画のものだったり、構図や色彩が素晴らしいものだったり、地方じゃ放映すらされていないものだったり、様々な映画のチラシが大量に手元にある状態なのである。
収集癖という深い業
根っこにコレクター気質というか、収集癖という深い業を宿している者としてはある程度の数が集まってくると、それらを均等に並べて保管して、いつでも眺められるようにしたくなるという衝動にかられる。
子どもの頃に夢中で集めていたプロ野球のカードにしてもそうだったんだけど、集めてキレイに保管しておくには、9ポケットシートと言って、カードを収納するポケットが9つ取り付けられた透明のシートというアイテムが必要になってくる。
そのシートのポケットにカードを収めて、それを専用サイズのバインダーに閉じていくわけだ。
そうすることで、ちょっとした野球名鑑みたいな感じになるのである。そんな風に「集めて、はい、満足。おしまい」という風にならないのが収集癖の業の深さなわけ。
「集めて、並べて、整理して、眺めて、分析したりなんかして、人と語ったり、いろいろする」というのが醍醐味なわけだから、当然集めたチラシをキチンと均等に並べておきたくなるのが自然というものだ。
だから、黄色と黒のスケッチブックなんかで知られる文具メーカー「マルマン」のB5サイズの透明シートを買い、B5サイズのバインダーを買い、少しずつコレクションに対する設備を整えていった。
200枚くらいのチラシであれば、そこそこ分厚めのバインダーが2冊もあれば充分に収納することができる。
バインダー2冊程度ならば職場の本棚に並べれば全然場所を取らない。何かしらを集めている人ならわかると思うけど、この「場所を取らない」という収集対象がいかに収集者に優しいことかっていう話だ。コレクションとは、生活空間を容赦なく侵してくるものだからね。
だから、本当に場所を取らないのはありがたいんだ。
チラシの分析開始
ひと通り眺めて楽しんだ後。ここからが本題。
今回の収集に関しては、趣味としての面だけを求めていない。レイアウトであったり、キャッチコピーであったり、色使いであったり、写真の選び方であったり、そういった諸々のプロの技術をごっそりいただこうという助平根性が根底にあるのだ。その助平根性こそが俺のエネルギーなのだ。
そういうわけで、俺は集まりはじめた直後くらいから、こっそり分析したことをノートにメモしていくことを日課にしていた。
すると、案の定勉強になることだらけだということがわかった。
たかだかB5サイズの両面に、2時間近くある映画の魅力を詰め込むわけだから、そりゃあプロの技が幾層にも重なり合ってるわけですよ。
こっちがその映画の内容を知ってれば尚更、理解は深まっていくわけだ。ボディコピーなんかを読んだときの「あー! なるほど!」の声の大きさが違ってくる。
そうこうしているうちに、60数枚分の分析が完了していた。
分析の結果、「無難は悪」ということがわかりました。
ここでいう分析とは、
「良いな」と思えた時には「なぜ良いと思ったのか」、「悪いな」と思った時には「なぜ悪いと思ったのか」を考えていくこと。
気づいたことは何でもメモ。書いて書いて書きまくる。些細なことでも何でもだ。
一定数以上のチラシに触れていく中で、「良い(好き)」「悪い(好き」のどちらにも当てはまらないものに遭遇することがあった。
良いなら良い、悪いなら悪いなりに分析は進むし、確実に収穫があるものだが、「どちらにも当てはまらない」ものには得るものがない。「無難なものは得るものがない」という確信を深めるくらいしか得るものがないのだ。
強引に凝る必要もないし、飾る必要もないが、シンプルであることと無難(何も琴線に触れないことを指す)であることは似て非なるものだと知った。
思わず見とれるようなデザイン。発表から20年も経つのに見飽きないデザイン。二度見してしまうような不思議なデザイン。「格好いい」と唸ってしまうデザイン。鼻につくけど優れているのを認めざるをえないデザイン。まあ、多種多様だ。眺めているのは楽しいし、集中してあちこち見ていると意外な気づきもある。
だんだんと、「この配置はこことの関係性を明確にさせるためにやってるな」とか「全体的な構図を分解してみれば、この写真をこの位置に配置したのもわかる気がするな」とか、ちょいとした評論家が気取れるようになってくる。
まとめ
この実益を兼ねてそうな新たなる趣味は、わりと俺にあっているのかもしれない。
何しろ巷には最高に格好いいデザインのチラシがごまんと存在している。自分にはまるでない引き出しに入っているセンスに触れられるのはありがたい。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」とか「時計じかけのオレンジ」「スティング」なんかどれだけ長時間眺めていても飽きないもんなあ。きっとそういう構図だったり、色味だったり様々な理由を作り手が込めてあるんだ。それを解き明かして、おのれの血肉にしていく。
それが今後の俺の課題だ。
世の中のデザイナー様、ライター様、たくさんごちそうになります。