通学路はいろんな生き物でいっぱい!
自宅から通っていた小学校までの距離は約1キロくらい。
その道中の大半は、田んぼと田んぼに挟まれた小道を歩くことになる。
通学するだけで、たくさんの生き物に遭遇した。
たとえば、通学路に沿うように続く用水路には「フナ」や「ザリガニ」に「メダカ」、ときどき「クサガメ」や誰かが逃した「ヨシノボリ」。田んぼを覗き込めば、「オタマジャクシ」「タイコウチ」「ゲンゴロウ」「カブトエビ」。田んぼや用水路だらけだったから、水辺の生き物が多かった。
また、流れてる水も綺麗だったからか、「ホタル」も飛んでたな。
でも、俺が中学に上がる頃にはいなくなってたから、水質が悪くなってしまったのだろう。
通学路から少し外れていくと、やたら樹液が溢れる小さな木と遭遇する。
夏は、運が良ければ「ノコギリクワガタ」や「カブトムシ」がいる。大抵は「コクワガタ」とか「カナブン」がほとんどだったけどね。あとは「カミキリムシ」とかね。
あと、「スズメバチ」も樹液に誘われて近づいてくるので気をつけなきゃいけなかった。
遭遇するのは大抵、魚や虫か畑仕事しているおじいさんおばあさんくらいのものだったが、たまに「おや?」という人と遭遇することもあった。
謎のガッケンのお兄さん
たとえば、「ガッケンのお兄さん」がそうだ。
ガッケンのお兄さんは年に1度遭遇できれば良い方で、目的は不明だが、校門付近の祠前で突っ立って映画の割引券を配っているのだ。噂によると、「変な筆箱など筆記用具を売ってる人」らしいが、定かではない。(そもそも、何でガッケンのお兄さんと呼ばれていたのかもわからない)
きっとノルマでもあるのだろう、お兄さんはねだれば、ねだるだけ割引券をくれた。
最初のうちは、いっぱいくれるので喜んでいたのだが、だんだんと、
あれ、この人、いったいどれだけ割引券持ってんだ?
もしかして、無限に割引券が出てくるんじゃないだろうな。
と薄気味悪くなってきて、「もういいよ、ありがとう!」とお礼を言って逃げるように校舎に飛び込んだ。
その日は帰りの時間が怖かったな。まだ突っ立って、割引券配ってたらどうしようって。
でも、当たり前だけど、さすがに放課後まで突っ立っているわけもなく、お兄さんはいなかった。
結局、俺の手元には百枚以上の割引券が残り、「どうしよう」と途方にくれた思い出がある。
なお、記事中の田舎道の写真は、実際に俺が通い歩いていた通学路。ちょっと前に弟が撮ってくれてたのを拝借。