思ひ出懐古録 雑記

【幽霊未登場】聴いてて思わず吹き出した怪談【幽霊無関係】

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霊感なんて全然ないんだけど、怪談話が大好きで、この数年いろんなのを聞いてきた。

とくに本職はお笑い芸人さんが語る怪談は、話も巧みで本来の「笑わせる」ための話芸とは違った魅力で楽しく、聴いていて飽きることがないね。

でも、数十、数百と聴き続けていると、まれに「ん? これは……」という特殊な輝きを感じさせる怪談が現れるんだな。「これは、ちゃんと怖いほうにオチつくのだろうか?」と聴いていて、途中ぐらいから不安になってくる話があるんだ。

大抵、途中に大きな違和感を覚えた話ってのは、結局おかしくて笑ってしまうんだけど、今回はタイトルどおり、「思わず笑った怪談話」の紹介をしよう。
 

 

怪談の名手・稲川淳二の思わず笑った怪談話

たとえば、超有名どころでいうと、あの稲川淳二にもそういったものがある。こんな話だ。

テレビの撮影か何かで、スタッフ数名と古い歴史のある温泉旅館へ行った。

すると、そこの女将さんが「うちの温泉には出るんですよ」と教えてくれた。何が出るのかというと、真夜中に温泉から「つめてぇよ~、つめてぇよ~」という幽霊が出るのだという。

それを聞いた稲川淳二たちは、びびって温泉に入らずに帰ってきた。(完)

 

という話だ。初めて聴き終えたときに、「あれ?」と思ってすぐに2,3回聴き直したもんね。

 

だって、女将さんに話聴いただけで終わっちゃってるんだもん。

 

ちゃんと聴きなおしたあとに改めて、「幽霊に出会ってねえじゃねえか!」「そこは『どれ、ここはいっちょ肝試しがてら見に行こうじゃないか』ってやつがいて、『やめときなよ。○○ちゃん。やめといたほうがいい』って稲川淳二に止められたにもかかわらず行っちゃって、そいつが、翌日温泉で気を失ってるか、ガタガタ震えてるのを発見されるパターンじゃないのかよ!」って心の中で、思ったもんね。

 

でも、純粋に怖い話のつもりで聴いてるところに、完全に予想外の展開に笑ったもんな。

一流のピッチャーが投げる、絶妙なタイミングでのチェンジアップってこんな感じなんだろうと思ったな。

 

それから、次で紹介する「若頭の女に手を出して、山に埋められそうになる話」も素晴らしかった。

 

BBゴローの思わず笑ってしまった怪談話

あと、稲川淳二のモノマネやってるBBゴローの、「若頭の女に手を出して、山で埋められそうになる話」は序盤から、「ん? これは……」なオーラ全開の面白い話だったよ。

 

いきなり、BBゴローがアウトレイジな人たちに捕まって、トランクに入れられるところから話がはじまるし、捕まった本人は「野良犬はいるのかな。野良犬いたらいやだな、怖いな」とちょっとずれた心配をしているし。

 

結局、北方謙三のハードボイルド小説をパクった、少し粋な言い回しで若頭を説得して助かるんだけど、「なんだ、この話は!」と思って笑ってしまった。

 

怖い話ではあるんだけど、少なくとも怪談話ではない話ね。

 

ちなみに俺は、怪談話も大好きなんだけど、笑える話も大好きなので、こういう「怪談話を待って構えてるところに、突然放り込まれてくる笑える話」はびっくりしすぎてゲラゲラ笑ってしまう。

 

本来なら「こっちは怖い話を待ってんだ! ふざけんじゃねえ、バカヤロー」って思っても仕方ないくらいなんだろうけど、ようは楽しめたら良いから満足しちゃうよね。

 

怪談にせよ、笑える話にせよ、結局はエンターテイメントだもんな。

そんな根源的なことに気づかせてくれた2つの話を紹介した。以上!

 

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