まだ早いからか、客は俺と外国のお姉さんだけだ。
それを観終えると、次は小さな展示室。人形浄瑠璃に関するアレコレが見られるところに通された。
ちょうど土曜ということで、ボランティアのおじいさんが館内を説明してくれることになった。
俺の質問疑問に目をキラキラさせながら答えまくってくれた。
おじいさんに教えてもらったこと
たとえば、浄瑠璃の人形には手を「グー」「パー」させる構造というか装置がある。黒子がそれを操作することで手を動かせるのだが、それを「差し金」というんだって。これは、「お前は誰の差し金だ!?」ってセリフでお馴染みの「差し金」の語源だという。
他にも、大阪では「浄瑠璃」ではなく「文楽」っていうらしい。また人形の頭の部分の呼び方は「かしら」で同じなんだけど、徳島では「頭」で「かしら」と読ませ、大阪では「首」で「かしら」と呼ばせるんだって。
文楽で使われる人形も、徳島のものが多い。
また大阪は古くから室内の舞台設備が充実していたので、遠くからでもよく見える。だから、人形の顔が小さい。逆に徳島では人形の顔が大きい。それは屋外で舞台をすることがあったり、照明設備が不充分なところでやることがあったりするので、お客さんから見えづらいからだ。
あと人形の髪の毛には、本当の人の髪の毛を使われることもあるが、基本はヤクっていう毛の長い牛みたいなやつの、尻尾の毛を使うらしい。(白いヤクの毛を染めて使う)
物凄く気が合うおじいさんだったので、終始楽しかった。