原爆の火
説明によれば、この火は広島県に原爆が落とされたときのものらしい。大窪寺に1988年10月24日に持ち込まれた、と書かれている。
罰当たりな男といえども、それに関しては真面目に衝撃を受けて、しばらくその火を見上げて眺めていた。
と言うのも、広島の原爆ドームにも行ったことがあったし、長崎では被爆された方から話を伺ったこともあり、バカなりに男も原爆や戦争について思うことがあったからである。
このあたりになると、男は下らない気まぐれで訪れたことを悔いはじめ、また同時に「来て良かったかな」とも思い始めていた。もっとも、自分がまだ徳島県にいると思い込んでいるため、
「よし、これは是非ともブログに書いて広く知らしめよう。徳島県にはこんなところがあるよって書くぞ~」
と非常に重要な部分のピントがずれているのがとても残念である。
それからも男は自分が香川県にいると気が付くこともなく、大窪寺周辺をひたすらに歩いた。
巨大なわらじに喜んだり、
ガンツに出てきそうな像を見上げたり、
鐘を鳴らしてみたいと思ったり、
とにかく徳島県にいると勘違いしたまま大窪寺を満喫した間抜けな男は、大満足で帰路につくのであった。
ちなみに鈍い男が「実は香川県におったんや!」と気が付くのは、帰宅後記事を書いているときに軽くググったときである。
それもこれも罰当たりな思いつきで行動した男を戒める何かなのかもしれない、とはまったく思わない懲りない男だった。
おーしまい。