驚くほど大量のスープ。驚くほど熱々でやってきた。
思っていた以上にばら肉も多く、思わずほくそ笑んだ。
もやしは細め。これまで特別に意識をしたことはなかったが、どうやら俺は細いもやしが好みだったらしい。思わぬ発見に内心高揚しつつ、ラーメンをすすりまくった。
うまい。無意識に頬が緩む。
どうりで朝からほぼ満席のはずだと合点がいった。
ガンガンに冷房が効いた店内で食べる、熱々のラーメンのうまいこと、うまいこと。
かすかに聞こえてくるテレビの音は、何やら漫才かコント。声を張る芸人のネタを遠くに聞きながら、完食。大満足だった。
相変わらず忙しそうな大将の動きを観察しながら、さりげなくどんぶりを差し出し、カウンターより少し高い台の上に置き、ティッシュをとってテーブルを拭き、財布を構えて会計の瞬間を待った。
やがて大将が俺を振り返り、「肉入りの大でしたっけね?」と愛嬌抜群の笑顔でいった。つられて俺も笑顔になり、「はい、そうです」とうなずき、あらかじめ用意していた750円を差し出し支払いを済ませた。
またひとつ、良い店を知ってしまった。