苔むす道を歩き進める俺。
道中何度も蜘蛛の巣に引っ掛かりながら、棒を振り回しながら、時々GoProで撮影しながら、アクエリアス飲みながら。
朝6時台で汗だくだからね。気温なんてまだ30℃いかないくらいだったはずなのに、汗が止まんないんだから。
首に巻いたタオルで汗を拭きつつ進んでいると、またもや裏向きの標識を発見。今回も駆け寄り、回り込んでみると……。
山の神さんだ。
実はここも事前に調べてて気になってたポイントなんだな。
ただ地図上で「山の神さま」と書かれているのを見ただけで、いったい何があるのかは知らずに来てた。祠があるのか、石仏があるのか。
さて、自称山に愛されし者と、山の神さんとご対面だ!
山の神さん
対比できるものがないから、わかりづらいだろうけど、めっちゃデカい樹だ。枝がそのあたりに生えてる樹みたいな太さなのだ。
超デカい樹から、樹が生えてる感じ。
思わず「うわあ、すげぇ」と見上げた。
根っこもゴツくて、ゴジラの足みたい。
根っこの部分を回り込んでみると、何かが祀られているのか、それとも誰かが持ってきて置いただけなのかは定かじゃないけど、石が置いてあった。
「俺が登ってもビクともしないだろうな」と罰当たりなことを想像した。絶対にやらないし、触りもしないけどね。
やっぱり巨樹もいいなあ。
山の神さんのおかげで、少ししょぼくれた気持ちが回復。
よし、山頂目指して頑張るぜ!
ちょっと陽が高くなり、光が差し込んでくる時間帯になってきた。
そしたらコケも少しずついい感じに映えてきたよ。(でも、俺が期待してるのはこんなもんじゃないから! 「もっともっと凄いんだろうなあ(*´▽`*)」と思ってるから)
さあ、頑張れ俺。ひたすら山頂目指して歩くのだ!
道中、軽く迷子になったけど、大丈夫。
事前に「上勝町ホームページ」でダウンロードし、印刷しておいた地図を2種持ってきていたからな。これ、絶対持ってたほうが良いよ。
いざスマホで見ようと思っても、充電には限りがあるし、電波届かないポイントも少なくないからね。山ではデジタルに頼るのはよそう。
えっちらおっちら登り続ける俺。すると、突然階段と石垣っぽいのが見えてきた。かなり年代物っぽいけど、山のなかで人工物に遭遇すると不思議と安堵するものだ。
「何があるんだろう」と進んでいく。(地図は最低限しか見ないようにしているのだ)
東光寺
東光寺っていう寺だった。
山犬嶽大師堂ともいうらしい。
寺と鳥居ってたまに見かけるけど、本来鳥居って神社にあるイメージがあるなあ。(軽く調べてみたら、わかりやすいサイト様を発見)
「さて、山頂、山頂」と気合を入れて、再出発しようと思ったら、
謎の木枠というか、壊れた鳥居というか、よくわからないのを見て「なんやねん、コレ」とひとりドン引き。(実は冒険中、頻繁に崩れてばらばらになった鳥居や真っ二つに割れた鳥居などによく遭遇する。だから、これもそのたぐいかと思ったのである)
休憩場
急にキャンプ場みたいなおしゃれな休憩場。
だが、俺はこういうところで休憩しない系おじさんなので、「へえ、こんなのがあるんやな。ほかの皆さんは有難いやろうなあ」と思いながらスルー。
あと、休憩場こえてすぐのところにはトイレもあるよ。
まあ、ここまで来るのに汗で体中の水分が出ちゃってて、何も出ないので一旦スルー。排泄する余裕はなのである!
もうラストスパートだろうと思いつつ、帰り道に使う体力を考慮しつつ進んでいくと、倒木。山遊びしていると、よく見かける光景だ。
「すんません」と声をかけながら、またぐ。
長州力さんの「またぐなよ」という名言を思い出しながら――。
続く。