登る恐怖と降りる恐怖
2度ほど深呼吸すると落ち着いた。
何が閉所恐怖症だ。高所恐怖症だ。山の中でそんなことを言っている場合ではない。今すぐ克服しなければ、俺は一生ここでいなければならん。
冗談ではない。
と思ったら、すぐに落ち着いたのである笑
ゆっくりゆっくり登っていくと、やがて一番上に到達した。とりあえず下で待つマーに「めっちゃ高い」と言いながら手を振った。
ちなみに鎖の一番上がどうなっているかはこんな感じだ。
え? よく見えないって?
実際はどういう安全性を考えて工夫されているのかはわからないが、俺にはデカめの岩にデカめのわっかを引っ掛けてあるだけに見えた。
大きなため息が出た。
うむ。これは降りるときのほうが怖い気がする……笑
登り以上にゆっくり時間をかけ、出来るだけ足がかけられるポイントを探りながら降りていく。途中、バランスを崩して鎖ごとクルンと体が半回転してしまったが、冷静に対処。
100均手袋のグリップのおかげで手汗で滑るという心配がなかったのが大きい。
内心ビビりまくりで降りてったわけだが、マーいわく「こいつ、ブルってねえな」と思ったそうだ。馬鹿を言うでないわ。ブルってねえわけねえ。ブルりまくってたわ。
とにかく無事生還。