登る恐怖と降りる恐怖
2度ほど深呼吸すると落ち着いた。
何が閉所恐怖症だ。高所恐怖症だ。山の中でそんなことを言っている場合ではない。今すぐ克服しなければ、俺は一生ここでいなければならん。
冗談ではない。
と思ったら、すぐに落ち着いたのである笑
ゆっくりゆっくり登っていくと、やがて一番上に到達した。とりあえず下で待つマーに「めっちゃ高い」と言いながら手を振った。
ちなみに鎖の一番上がどうなっているかはこんな感じだ。
え? よく見えないって?
実際はどういう安全性を考えて工夫されているのかはわからないが、俺にはデカめの岩にデカめのわっかを引っ掛けてあるだけに見えた。
大きなため息が出た。
うむ。これは降りるときのほうが怖い気がする……笑
登り以上にゆっくり時間をかけ、出来るだけ足がかけられるポイントを探りながら降りていく。途中、バランスを崩して鎖ごとクルンと体が半回転してしまったが、冷静に対処。
100均手袋のグリップのおかげで手汗で滑るという心配がなかったのが大きい。
内心ビビりまくりで降りてったわけだが、マーいわく「こいつ、ブルってねえな」と思ったそうだ。馬鹿を言うでないわ。ブルってねえわけねえ。ブルりまくってたわ。
とにかく無事生還。
そして、鎖場からの帰り道。どういうルートでいこうかと話し合いになり、とりあえず来た道を戻るのではなく、そのまま行場コースを下って、ぐるりと刀掛の松に戻るルートを選択。
これがなかなか、いや、かなりハードな帰り道となった。
ちょっとはしゃぎすぎて、体力が消耗していたこともあり、一歩一歩の道のりが自分の全体重を持ち上げる大変な作業のように思えて堪えた。
だが、我々は過去の経験から大事なことを知っていた。
それは一歩一歩前に進んでいけば、必ず目的地にたどり着けるということだ。剣山に挑むたびに噛み締める事実である。
こういうヒントを絶対に見落とすまいと集中しつつも、道中の景色を楽しみながら、肩で息をしながら進み続けた。
途中、標識を発見するも何も書かれていない、のっぺら標識があったのは何だったのだろう。裏も何も書かれておらず、気になったが、このときは立ち止まって考えている余裕はなかった。
そして、なんやかんやあって、チケットが破れて↑みたいになるほど大変な目に遭いながらも、なんとかかんとかリフト乗り場(西島駅)まで戻ってくることが出来た。
これがまあ大変で、過酷だったわけだが、そのわりに記事におこそうとしても大した感じにならない内容なんだよなあ笑
普通に「兄弟で声を掛け合って、途中で休憩しながら、一歩、また一歩と進んだ」という文章で事足りてしまうんだな。まあ他にブログ記事に出来るようなネタがいっぱい拾えたのでよしとしよう。
で、帰りのリフトもしっかり紅葉など景色を堪能しながら15分ほどを楽しんだ。
リフトに乗りながら、景色を撮影するマーを撮影。
周辺の紅葉がなかなか絶景である。
まとめ
このブログを「徳島県」というテーマに特化したのが2018年。一昨年のことである。だが、一昨年、去年と雨量が足りずに紅葉が物足りないのが続いた。(とくに一昨年などは徳島新聞の一面に「過去最低」だか「過去最悪」だかと評される紅葉具合だった)
こうして、きちんと紅く色づいた状態の剣山を紹介できたことを心から嬉しく思う。やっぱり赤々と燃えるような色味になってくれないと気分に浸りづらいもんな。
もっとも圧倒的晴れ男を自称しておきながら、雨を降らせてしまったことが心残りであるが、物事は前向きに考え、捉えるべきだ。
よくよく考えてみれば、俺は「晴れた剣山」「吹雪く剣山」「曇った剣山」「雨の剣山」「霧、靄がかった剣山」と5つの表情を見、体験することが出来たのだ。多少危険な目にも遭ったが、おかげで良い経験値を得ることが出来た。
だが、今度訪れるときは必ず晴らせてみせるぞ。剣山。
ふはははははは!
では、次回更新まで(`・ω・´)ゞ