カロリーメイト選手VSMATCH選手
運命というのは、酷なものだとつくづく思う。同門対決をタブーとする大塚系ドリンク軍団に所属するカロリーメイト選手とMATCH選手。
そして、カロリーメイト選手に関しては、1回戦にいきなり同門であるオロナミンC選手と戦っている。
すでに敗北したポカリスウェット選手、オロナミンC選手が見守る中、運命のゴングが鳴る。準決勝に「大塚」の看板を掲げるのは、どちらの選手なのか?
猛者揃いの今大会における、最高クラスのディフェンスを誇るMATCH選手。これまでの試合と同様に硬い守りで相手のカロリーメイト選手の攻撃を弾き飛ばしていく。ガードに徹したMATCH選手に高いダメージを与えるのは至難の業。
並大抵の攻撃では倒すには至らない。
結局、ガードを固めつつ、カーフキックでカロリーメイト選手の左足を徹底的に攻め立て粉砕。全盛期のアーネスト・ホースト並みの安定感ある戦いぶりをみせつけ、MATCH選手ベスト4進出。
うだつ丸サイダー選手VS令和最初の阿波踊り選手
次第にトーナメント優勝および絶対王者・徳嶋ダイスケへの挑戦権獲得が見えてきた。ベスト4を決める最後の一戦も猛者対猛者の戦い。だが、ここまでの試合展開を鑑みれば、令和選手のほうに分があるように思えるのは気のせいだろうか。
美馬市民の熱烈な応援を力に変える、うだつ丸サイダー選手。
そして、復活を誓う令和最初の阿波踊り選手(以降・令和選手)。
「俺には夢があるんです。美馬市を、うだつの町並みを世界に広めたいんです。そのために俺は勝たなきゃいかんのです。徳島で王にならなアカンのです」と目を輝かせ、うだつ丸サイダー選手は少年のように屈託なく笑った。
「俺には徳島県民の夢が託されている。俺が優勝して、ベルトを巻かなきゃ、誰が巻くって言うんだ? 俺こそが真の徳島王に相応しい」というのは、令和選手。ど派手な試合展開と、ド派手なマイクパフォーマンスで大人気のカリスマ性を帯びたスター選手だ。
ベスト4を決める最後の戦いがはじまった。
まさか、まさかの大波乱。
圧倒的なカリスマ性を身にまとい、高い実力を見せつけ、ド派手なパフォーマンスで観客を魅了し続けた令和選手が、まさかのベスト4目前で敗北を喫した。体力、攻撃力、素早さ。3つの要素で大きく上回っていたはずの令和選手。しかし、うだつ丸サイダー選手が粘って粘って、積み重ね続けた鋭く早いジャブで勝利をもぎ取った。
こうしてベスト4が決定した。今回はそのまま続けて準決勝をお送りする。