氷瀑って知ってる?
ほら、とめどなく流れ続けている滝が凍って、スゲェ氷柱(つらら)になるってアレのこと。ひょうばく。俺ね、今まで一度も生で見たことがなかったのよ。もちろん写真や映像では観たことはあるんだけど、直は一度もなかった。
やっぱり行くの怖いじゃん。だって滝が凍るレベルの寒さでしょ? 絶対目的地までの道、凍ってるか雪積もってるでしょ。徳島県でも山間部の雪に馴染みのある人たちならともかく、俺なんてギリギリ山の入口くらいに住んでて、雪なんて滅多に降らない地域なんで、「アイスバーン怖っ」「雪道なんて運転出来んって」と思っていた。多分チェーンも上手に装着できないし笑
でも、今年(2022年)1月26日くらいの徳島新聞で、「母衣暮露滝(ぼろぼろたき)、凍り付く」って記事が載ってるのを見て、「ふー今年は行っちゃうか」と思い立った。比較的家から近い滝だったし、昨年末にスタッドレスタイヤに変えていたのもあるしね。
かなり前置きが長くなったけど、そういうわけで今回は念願の氷瀑を見に行ってきたお話。
2022年2月6日(日)午前5時 出発
久々の冒険。ここ数か月は冒険らしい冒険が出来ていなかったから、ワクワクが止まらない。
朝5時半にアラームをセットしていたのに、目覚めたのは4時半と1時間も早かった。でも、早めに寝たので体調は万全。早起きは三文の徳なんていうし、ささっと準備して出発。
上半身は、ヒートテック1枚。厚手のパーカー。そして、ダウンジャケットの3段防御。下半身は、パンツ、ヒートテック1枚、薄いテーパードパンツ1枚。そして、ワークマンで買った980円の「滑らないゴム底の靴」という、俺にしては珍しく厳重なフル装備だ。
いいか、みんな。山をなめるな。山では冷静にビビっとけ。山は面白半分にメラゾーマとかイオナズン級の攻撃をぶっ放してくるからな笑
しっかりガソリンを満タンにした俺は、念のためカーナビをセットして母衣暮露滝へ向かった。
母衣暮露滝へのルートは、基本細くて、少し荒れた山道だ。しかも、今は2月初旬とあって、徳島県といえども結構冷え込む季節。滝に近づくにつれて、道路を覆う雪の量が増していくのが分かった。
運転中、何かが動くのを確認。チラっと見ると、野ウサギ。「あれ? ウサギって冬眠せんのかな?」と疑問に思った。(調べてみたところ、ウサギは冬の寒さに強い動物らしく、冬眠はしないらしい)
しばらく進むと、わだちのない真っ白な道路の上に謎の足跡を発見。
これ、ウサギの足跡なんかな? よくわからんけど、先に進むと、急になくなったので正体は突き止められんかった。まあ、山は不思議でいっぱいだからな。とりあえず慎重に進み続けた。
山で遊ぶときは、こういう足跡とかフンとか、木などの注視しながらのが良いよ。山は楽しいけど、動物たちの住処でもあるわけだから、お互いのためにも気を付けよう。
でね、だんだんと母衣暮露滝に近づいてくたびに、なぜかこみ上げてくるものがあってね。やっと山に戻ってこれた。嬉しいなあってしみじみなって、いろんな感情を噛み締めた。
そして、なんやかんやありながらも無事到着。
そうだな、一番深いところだと約10センチくらいの積雪があったかな。
俺の足首までズッポリ埋まるくらいの雪。もしかすると俺の33,4年の人生で一番深い雪かもしんない。気温はマイナス3度。暑がりの俺も、さすがに身震いした。
しかし、母衣暮露滝は車を降りてから、しばらく歩かなければならない。俺の記憶がさだかなら、雨乞いの滝や神通滝ほどじゃないにせよ、母衣暮露滝もまあまあ歩かなきゃ滝には辿り着かなかったはずだ。
しかも、今回は慣れない雪という難関がプラスアルファされている。雪が降るだけで、「今日の1時間目は雪遊びの時間にしましょう」となるレベルの南国育ちの俺には、未知数の冒険だ。アドレナリンがドバドバ出てくるのが分かった。
ちなみに2月の早朝6時台の母衣暮露滝への入口はこんな感じ。
カメラの機能なのか、ちょっと実際より明るめに写っているけど、実際はもう少し暗い。改めて見ると、「俺、よく躊躇なく進んでいったな」と思う。だって、足場が雪で見えないから、何度か転んでんだ笑
さて、少しずつ歩いて進んでいくと、だんだんと滝に近づいてくるのがわかる。
もう何度も来ている滝だもの。何なら、そこに流れる水の味だって知っているのだ。
母衣暮露滝の水は、甘い。俺流の表現でいうなら、椿味に分類される水で、これまで10か所くらい飲んできたが、一番を争うほど旨いのがこの滝の水である。
そして、約10か月ぶりの再会。去年の春以来にあった母衣暮露滝は、雪化粧で美しかった。
ちょっとまだ暗いから、少しおどろおどろしい感じもなきにしもあらず。でも、独特な雰囲気があってたまらないと思ったな。
この母衣暮露滝って、もともと水量の多くない滝なのよ。だから、もしかすると思っていたよりも氷瀑具合が小さいように見えるかもしれない。でも、俺は初めての氷瀑に息をのんだね。
氷瀑って、ホンマにあるんや……。
って。嬉しかったね。
ある程度スマホで写真や動画を撮った後は、GoProや一眼レフ(ペン太)を取り出して、あたりをウロウロしながら撮影しまくった。いつもなら、来て撮ってすぐ帰る俺だけど、さすがにこの日ばかりはじっくりゆっくり辺りを探索しまくったよ。
各カメラの持ち味を俺なりに活かしながら、そのカメラでしか撮れないであろうアングルを捉えていった。
次のページからは、一眼レフやGoProなどで捉えた、母衣暮露滝の様々な表情をご紹介。
一眼レフ ペン太(PENTAX K-5)
なんか、ポケモンのフリーザーの羽みたいになってて格好いい。
ところどころ解けだしているのか、水の流れる音もしている。これは雪解け水ってことになるのかな。だったら、携帯浄水器を持ってくるんだったな。季節によって味わいが変わるのか、確かめたかった。痛恨のミスである。
一眼レフの良いところは、必要に応じてレンズを替えられるため、本来なら近づかないと撮れないくらいドアップの写真が撮れるのがありがたいね。望遠レンズ最高。
母衣暮露滝ではお馴染みの、滝つぼに浸かりし二又の大木にも、しっかり立派な氷柱が出来ているのを発見。つまり、この大木の背中にも常に水が滴っていたってことになるね。よく腐らないなあ。
GoPro
ちょっと時間帯の兼ね合いもあって、明るさに欠けたため、GoProちゃんには不利な展開だったかもしれないな。でも、しっかり映像を残せて良かった。
念のためにスマホでも映像をしっかり撮っておいたので、一緒に載せておこう。
スマホ GALAXY
スマホも負けてないよなあ。俺の技術不足は否めないけど、技術不足を補うように綺麗に撮れている気がするもんな笑
そんなこんなで気づいたら、2時間くらいいたな。俺史上一番同一場所にとどまった記録かもしれん笑
ちなみに帰り際、この写真を撮っていたら、レンズのフードを紛失した。
どのタイミングで消えたんだろう。。。レンズフードだけ売ってたりすんのかな。。。それか雪が解けるころにまたきて、探してみるか。
というわけで、今回は徳嶋ダイスケ、初めての氷瀑を見るでした。
いやあ、滝好きとしてはたまらない冒険になったな。滝って本当に凍るんだなと感動したし、同時に動くものを凍らせる自然の凄さに畏怖したし、とにかく自然に対する尊敬の念が増した。
やっぱり俺は定期的に自然に飛び込まなきゃダメなんだ。どんなに仕事で充実していても、人間関係が良好でも、自然が足りてないとどうもダメ。山に言ったもんね。
「俺、やっぱアンタがいないとダメだわ」って笑
ちょうどそのタイミングで風が吹いて、枝に積もってた雪が俺の頭に降ってきたの。山のやつ、照れ隠しにそうしたんじゃないかな。ほら、山の神って女の人らしいし。そんな与太話をしつつ、今回の冒険譚を締めくくろう。
それでは、また次回。したらなー。