ごはん
だけど、個人的には水分多めに炊いた柔らかいご飯に馴染みがあるのよ。母親の炊くご飯がウェットタイプだったからね。
で、そば道場のご飯はそのウェットタイプで俺個人的には「非常に安心感のある炊き加減でホッとした」ってわけだ。
梅酸っぱく漬けたタケノコと、おしとやかな塩加減で漬けたタクワンをかじりかじり、ゆっくりご飯をかきこんでいく。やっぱ米いいねえ。とくに人に炊いてもらった米、旨い! 自炊してると有難みの増し加減が半端ではない。
あっという間にごちそうさまでしたの瞬間が訪れた……。
旨いものというのは、一瞬で消え去っていってしまう。いったいどこに消えてしまったのだろう。
とにかく! やまかけそばとごはんとお漬物のおかげで完全完璧に回復した俺は、意気揚々とお会計を済ませ、お店の人に最敬礼をし、出ていくのであった。