これが……
Cafe&ジビエのロコモコ
良い香りが漂ってる。基本的に野菜などの具材は煮込まれて溶け込んでいる状態。しめじやタマネギなどは辛うじて原型をとどめている感じである。あとはメインである温玉とイノシカハンバーグ。そして、酸味と旨味の効いたドレッシングのかかったレタスみたいなやつが乗っかっている。
その下には適量のご飯。いや、いささか少ないと感じてしまうくらいの腹八分程度のご飯が隠れている。何となく葉っぱ食っておくかと思い、レタスみたいなやつを食す。たっぷりのドレッシングと、グレイビーソースがレタスみたいなやつを美味しく食べさせてくれる。
レタスみたいなやつを食べ終えた俺は、温玉を割る前にグレイビーソースとご飯をスプーンですくって口に入れた。何だろう。この旨さの根元にあるものは……。正直食べてるときは、「ん? デミグラスソースなん?」って思ったんだけど、ロコモコなんだからきっとグレイビー。どちらにせよ旨いのには変わりないから文句などあるはずない。
ちなみにデミグラスとグレイビーは煮込み時間の違いがあって、デミグラスのが長時間煮込むので手間がかかるらしい。そして、グレイビーは調理中に出てくる肉汁を使って作るソースなので、どちらかというとパパッと作れちゃうっぽい。
イノシカバーグをスプーンで斬る。弾力のある、野性味あふれるバーグで、そう簡単には斬られてはくれない。多少力を込めて斬ったイノシカバーグを、グレイビーソースに浸し、ご飯と一緒に頬張る。幸せな風味が鼻孔を行ったり来たりするようだ。
旨い。温玉との相性もよく、あっという間に完食してしまう。
毎回いっているようだが、どうして旨いものはすぐに無くなってしまうのだろう。
もっというなら、どうして食べ物は食べたら無くなってしまうのだろう。不思議でならない。
でもまあ旨かったから小難しいことは考えなくていいや。ごちそうさまでした。
正直、そのままの流れでカレーを注文しても十分食べられるくらい胃袋に余裕はあったけど、たまには腹八分に抑えてみるのも良いと考え、この日はロコモコ一杯で我慢することにし、お店をあとにするのだった。