唐揚げ

これ、ボリュームやばくない?
赤ちゃんの握り拳よりデカイ唐揚げが4つ。サラダもたっぷりあり、梨が添えられてて、さらにオクラの天ぷら、さつまいもの天ぷらまで。この一皿から凄まじいサービス精神が伝わってくるね。
揚げたて唐揚げも天ぷらたちも、片っ端からザクザクでめちゃくちゃうまい。
唐揚げ。ほんのり効いたニンニクと生姜の風味。噛んだ瞬間、口のなかに立ち上る熱気がすでに旨いのである。おそらくむね肉と思わしき、ヘルシーな肉質とニンニク、生姜の味付けが合っていて最高だ。
オクラの天ぷらは、これまで食べた記憶はない。初めてのオクラの天ぷら。ザクッと衣、オクラの表皮を噛みきると、なかからお馴染みのネバネバとろとろ。他の食材ではあり得ない食感が楽しめた。
さつまいもの天ぷら。こちらはもう定番中の定番。実は個人的に悲しい記憶がある天ぷらで、食べるのは久しぶりだった。
あれは小学生、低学年だったころ。
学校の行事で芋掘りがあり、その芋掘りで、俺は一抱えもある巨大なやつを掘り起こして持ち帰った。その夜、自分で掘った芋を天ぷらにしてもらい食べたのだが、驚くほど美味しくなかった。どうやら、度が過ぎて巨大化したさつまいもは甘さが散り散りになるのか、ちっとも甘くなかったのだ。
そのとき、芋を見せたときの母親が何とも言えない笑顔をしていた意味を知ったのだった。
以来、俺はさつまいも派閥から離脱し、カボチャ派に入り元気に暮らしていたのである。
そんなバックストーリーを抱えつつ、久しぶりのさつまいもの天ぷらを口にした。ザクッ。控えめな、だが、たしかに存在する甘さ。滑らかな食感。優しく、素朴な味わいに、俺の荒んだ心は包み込まれて浄化された。
野菜も、梨も堪能し、完食。
改めてやな蔵、最高に美味しゅうございました。ごちそうさまでした!
次は朝のやな蔵にも訪れなきゃなと固く誓う徳嶋ダイスケであった。
それでは今回はここまで。したらなー。
