折目邸 遊懐とは
つるぎ町貞光にある、築100年の商家をリノベーションした古民家宿泊施設である。また同じ建物内に「半田そうめん食堂」(営業:水曜・土曜・日曜の11時~14時)もあり、宿泊のみならず食事やちょっとしたお土産を購入することも可能だ。ただし、「半田そうめん食堂」でのランチは、コロナ禍のため事前予約制となっており、ランチ希望の方は注意が必要だ。
細かい話はさておき、俺がお世話になっている北室白扇さんが深く関わっていることから、「一度泊まりに行きたいな」と予てより思っていた宿だった。ちょうど予定がすっからかんになったので、すぐさまネット予約。そして、念願の宿泊および北室さんとの再会が叶ったのでその記録をば……。
小ネタにすぐ気づく北室さん
早速チェックイン時に北室さんと再会。
すぐに俺が着ているTシャツに気付く。そして、記念に写真を撮った。
この日は俺以外に宿泊がなかったため、結果的に一戸借り状態となった。そのおかげで普段なら共同利用のお風呂やトイレなどを自由に出入り、および撮影することが許された。
夜は北室さん(以降女将さん)含むスタッフのかた全員いなくなってしまうとのこと。つまりチェックアウトの時間までに鍵を受付に置いて、出ていけば良いシステムというわけだ。
ざっくり説明を受けて、宿泊費を支払い、スタッフさんに案内されて2階の部屋へ。
「茜」
今回俺が泊まるのは「茜」という最大2名まで泊まれるステキなお部屋だ。(ちなみに折目邸には、4名まで泊まれるダブルベッド完備の「藍」と2名まで泊まれる「繭」という部屋もある)
もっとも俺は当然のごとく単独行動なのでベッドはひとつ空いたままだ。(みなさん、徳嶋の隣のベッドずーっと空いてますよ)
夜ご飯まで時間があるので、自由に中を探索させていただくことに。
もう許可を得たら、水を得た魚よ。俺は笑
ガンガン撮影しまくった(*´∀`*)
入り口すぐの筒状の入れ物には「フェイスタオル」「バスタオル」が用意されている。
どうやって巻いたのだろう?
お風呂場に持っていって使うシステムだ。
大きな姿見があってゴミ箱があり、大きな壁掛けテレビがある。
リモコンを見てビックリ。
なんとYouTubeやAmazonプライムなども観られるヤツではないか。
至れり尽くせりとはこのことか!
なんて思いながら、何気なくYouTubeを観てみた。
検索履歴が残ってた。そこにはなんと……!
はい、誰ですか? 「じゅくじょ」検索したのは笑
こんなステキなお部屋で何を検索しとるんか……(;´∀`)
(履歴は消しときました)
それからフリーWi-Fiあるのは助かるよなあ。とくに観光客としてきてる人だと、ネットで色々調べたいなんてこともあるだろうしね。
それと地味に嬉しい湯沸し器。
実はテレビ台の引き出しにカップや珈琲があるので、そういうのも楽しめるようになっている。最近珈琲が飲めるようになった俺は、思わずにやけてしまった。(まあ飲み忘れてチェックアウトしたけども笑)
あと旅館などではお馴染みの立方体型冷蔵庫。
ここにはサービスのミネラルウォーターが入っている。
これもかなりありがたいサービスだよね。
でね、ベッドの上に気になるもん見つけた。
なんかカッコいい袋。中にはアメニティ(歯ブラシセット、髭剃り、クシ)が入っていた。かなりお洒落でカッコいい!
そして、障子を開けてみるとこんな感じ。
いいね。街並みを眺められる感じ。
部屋を物色し終えて、今度は廊下フロアやお風呂場などを見に行く。先に案内してもらってるから、一度見てはいるんだけど改めて。
一応普段なら他の宿泊客もいらっしゃるから、写真や動画は控えるんだけど、この日は誰もいないって言うし、女将さんやスタッフさんがたから「撮影OK」もいただいたので色々撮った笑(当たり前だけど、他の部屋はノータッチだからね。当たり前だけど)
お風呂及び脱衣場
ウォーターサーバーも温・冷完備されているので、脱水症状の心配もない!
お風呂も超綺麗。
見てみ、このボディソープにシャンプー、コンディショナー。
すげーお洒落じゃね?
(あとでシャワー浴びたときに気付いたんだけど、とくにシャンプー超俺の好みの香りがした笑)
で、階段降りて再び一階。
おこたの広い和室には、個性豊かな日本人形たち。
「阿」「吽」の掛け軸。そして、迫力と繊細さを兼ね備えた活け花。非常に落ち着く空間だ。
また、このおこたは掘り炬燵になっており、数時間後に晩御飯の最中に「あれれー?」と気付くことになる。掘り炬燵最高よね。正座苦手な人でもおこたを堪能出来るし。
それから、おこた空間の奥(東側?)には渡り廊下があり、ここがまた良い味出してんのよ。
で、渡り廊下出てすぐ右手側には冷蔵庫とワインセラーがあるんだけど、翌朝セルフサービスでいただく朝食が前夜までにセットされるのだ。それ以外に冷蔵庫には何もない。冷えピタ以外何もない。
そうこうしているうちに晩御飯タイムになった。
聞けば順番に色々運ばれてくるコースメニュースタイルらしい。非常にワクワク。楽しみだ。
まず、女将さん直々にお膳が運ばれてきた。
その上には、「こんにゃくの刺身(味噌田楽)」「もずく」「カツオのたたき?」「野菜の煮しめ」「甘いちりめんや漬物など」の小皿が並んでいる。
そして、食後払いで好きなタイミングで飲み物やデザートなども追加で注文出来るので、瓶ビールをお願いした。
最初の一杯めは女将さんがビールを注いでくれたのをいただく。どうして俺以外のみんなは上手に旨そうに注げるのだろうか。。。それはともかく旨い!
煮しめは優しく素朴な味わいでふわふわと旨いが、もずくはピシャっと旨い。
かつおのたたきは、同じ皿上の塩でいったり、大量のスライス玉ねぎと一緒にタレでいったり、スライスにんにくとセッションさせたりしながら楽しんだ。まあ、旨い。まあ、ビールが止まらねえ笑 合間に甘辛いちりめんみたいなのが乗った小皿のをいただくんだけど、ここも余すところなく旨いんだ笑
あ、当然こんにゃくも超旨い。田楽の押し寄せてくる和の風味がたまらねえ。
そして、お膳メニューをいただきながらビールをちびちび。まったりとした時間を美味しく堪能していると、
女将さんが「ハンバーグ」とそいつにかける「卵黄」を持ってきてくれた。
つくね式でいただくようだ。何でも阿波尾鶏を使用していて弾力がすごい。箸に握力を乗せて切ろうとするが、なかなか上手く切れない。仕方なくかじりとる。めちゃくちゃ旨い!
ビールを飲み干しながら、次のメニューを待つ。
次に持ってきてくれたのは「土鍋で炊いた雑穀米」と「山盛り天ぷら」だ。
たまらなくなり、地酒「司菊 きらい辛口(小)」を注文。
雑穀米の茶碗に手を伸ばす。知人が雑穀協会のホープとして活躍しているのを思い出し、いただく。旨い! はだか麦やヤツマタ、もち麦?などが入った土鍋ご飯旨い。ちょっとプチプチするのが心地よい。
地酒がやってきたタイミングで天ぷらスタート。
地酒vs天ぷら
天ぷらは「大葉」「さつまいも」「えび」「舞茸」と言ったラインナップで、どれもこれも絶妙な揚げ加減でサックサクだ。めんつゆでいってもいいし、塩をかけて繊細に楽しむのもいい。
そして、天ぷらのお供はコイツだ。
ごっつい辛口 きらい
これは地元美馬の「司菊酒造」の日本酒で、ごっつい辛口らしい。が、
個人的には「そんなにごっつい(凄い)辛口というほど辛口ではなく、むしろ口当たりはよくて呑みやすい印象」を受けた笑 ちょっとフルーティで美味しい日本酒。少しでもツンとすると日本酒飲めなくなる俺が思うんだから間違いない。ただ旨い! てんぷらとの相性抜群である。
「ひゃっほーい」と陽気にてんぷらを食べていると、奥から女将さんが、
今度は「茶碗蒸し」を持ってきてくれた。
もう師走が真後ろまで迫ってきていたこの日は、常軌を逸するほどの暑がりをもってしても「寒い」と身を震わせるほどの寒さ。そこにきての茶碗蒸しは、嬉しかった。
何より、茶碗蒸しは大好きな食べ物のひとつである。気分が高揚しないわけがなかった。
目の前に茶碗蒸しを出しながら、女将さんが説明してくれた。「貞光は銀杏多い」「阿波尾鶏を使っている」「舞茸が入ってる」だったかな。(このあたりから、ほんのり酔いがまわりはじめていて少しぼんやりしているから間違ってたら土下座)
温かな茶碗蒸しをミニレンゲですくって、少し冷ましながら口へ運ぶ。温かい出汁が五臓六腑に染み渡っていく。胃袋の形がわかるくらいホカホカになっていくのがわかった。
そして、食べながら驚いたのが銀杏だった。
俺の知ってる銀杏の食感よりも、少しもちもち具合が強く、もにゅもにゅしており、更にクセがないのだ。ホクホク系ではなく、もにゅもにゅ系なのだ。ただ食べ物の説明を俺にさせるのは時間の無駄なので、興味がわいた人は現物を食べてくれ。(もしくは俺になりきって想像力を働かせてくれ)
茶碗蒸しを平らげ、地酒・きらい(喜来)を飲み干したころ、コース料理ラストの一品がやってきた。
素麺。いわゆる温かいにゅうめんである。
「おおっ、そうめん!(実際はにゅうめん)」
まあ女将さん(北室白扇さん)の真骨頂というか、伝家の宝刀というか、大魔神佐々木のフォークというか、北室さんのそうめんの登場はそれくらい「真打登場」感が強いのだ。
そのにゅうめんの旨いこと。まあ、そうめんのプロが作ってくれてるわけだから、「何を当たり前のこといってんだ」って言われそうだけど、旨いんだから「旨い!」。
そして、味変のお供には、みまから七味唐辛子。
これが効く。旨味の詰まった辛さが半田そうめんの魅力を更に引き上げるのだ。
最後は果物(オレンジ)と温かいお茶でフィニッシュ。
ちなみに、料理の量などのさじ加減は、お客さんを見ながら調整することもあるのだとか。ちなみに俺はちょうどピッタリお腹いっぱいになったから、女将さんの目方眼力は精確だと思われる。
瑞々しい果物と優しい温かさのお茶を味わいながら、女将さんとお話。
いろんな話をしたよ。徳島県の行く末、未来などを語らったね笑 内容は内緒だけど、徳島県はまだまだ未開の地であり、世界中でまだ誰も本当の面白さや凄さに気づいていないと確信した。俺は、もっと野良ライター兼YouTuberとして頑張っていかなアカンと気を引き締めたね。
気づけば午後9時前になっていた。なんということでしょう。何もかも独り占めしちゃってごめんなさいね状態である。楽しすぎて申し訳ないくらいだった。
やがて、俺の夕食宴大会祭りフェスティバルも宴もたけなわとなり、女将さんに「おやすみなさい」を言って二階の自室へいったん戻った。
着替えとタオル、アメニティグッズを携え、いざ入浴。(ここで期待した人ごめんなさい。入浴シーンは大人の事情でカットしております。改めてご了承くださいませ)
ちなみにご宿泊のお客様は、もれなく一人1枚「木綿麻(ゆうま)温泉」か「つるぎの宿岩戸(温泉)」の共通入浴券をもらうことが出来たのだが、この日の俺はもう飲んじゃってるし、そもそも疲弊しきっていたので、宿内で出来ることは全部済ませてしまいたかったのである。
それに、折目邸のお風呂は先に紹介したとおりめちゃくちゃ綺麗で使いやすく、またシャンプー類も俺好みのものが揃っていて最高だった。
ピッカピカになった俺はふたたび自室「茜」に戻り、おもむろにリモコンを手にした。
そして、電気を最小にし、
マブダチ(勝手に決めている)である、ポケモン大吟醸さんの代表作「芸人ピッピ」を、同志(勝手に決めている)が切り盛りしている宿で泊まって観るという、最高の贅沢なひと時を過ごしながら眠りについたのである。
ちなみに俺が予約したのは1泊2食付きのプランであり、チェックアウトである朝10時から逆算して8時前後には起きておくのがベストと考えて、11時前くらいには眠ったと思う。
なお、朝食はセルフサービスで、すでに用意されているものを自分で準備(といってもオーブンでチンしたり、運んだりする程度)するスタイルだ。「ちゃんと起きられるかなあ」と少し心配しつつ眠ったのだが、そんな心配は無用の産物だった。
翌朝、6時30分。シャキーンと目が覚めた。くるった腹時計が俺を起こしたのである。前日、あんなにたくさん美味しいものを食べさせていただいたというのに笑
でも、腹が減って目が覚めた事実は曲げられない。俺はトントントンと軽快に誰もいない1階へ降りていき、朝食の準備にとりかかった。
5分とかからないうちに準備完了。パンも焼いたし、冷蔵庫から準備されていた諸々を取り出した。
朝食は焼き過ぎた食パン。ハムの入ったサラダ。カップヨーグルト。野菜ジュース。そして、小皿に入ったバターという感じ。ドレッシングはシーザードレッシングっぽくて、旨いの。
でね、上で「小皿に入ったバター」って説明してるんだけど、「いただきます」した段階では、俺、これのこと「なんでチョコレートが朝食に出てるんだろう?」と思っていたんだよな笑
寝ぼけてたんだろうけど、寝ぼけているなりに「きっと糖分補給が大事ってことなんだろうな」と解釈しつつ、「バターもしくはマーガリン、もしくはジャムはどこかにあるのかな」と思いつつ、「でも、何もつけなくてもトーストって旨いなあ」とむしゃむしゃ食べ進めてったの。
で、チョコレート(本当はバター)は最後だろって寝ぼけた俺は、野菜ジュース飲んだり、ヨーグルト食べたりして、最後に金色の包み紙をはがして、「あー、バター。こんなところにあったんか」とひとり苦笑いをしたわけだ。
そして、ふたたび部屋に戻り、着替えたものの、時刻はまだ8時前。ちょっとポケモン大吟醸さんの動画を観つつ、ベッドでウトウト……。しているうちに念のためにかけていた二重アラーム(9時半設定)で目が覚め、むくりと起き上がり、荷物を抱えてチェックアウトのために1階に降りていくのであった。
ちなみに折目邸では、チェックアウトは朝10時までに受付に鍵を置いて出ていくだけでOK 。でも、俺としてはそれだけじゃ寂しいから、名刺の裏に書置きをして、こっそり忍ばせて宿を後にすることにした。
こうして折目邸での楽しく美味しい最高のひと時を満喫した俺は、気力体力満タンで自宅に戻るのであった。(ちなみに駐車場を宿から最も遠いところに選んじゃったから、荷物を抱えて少し歩くのであった笑)
北室さーん! スタッフのみなさーん! 本当にお世話になり、ごちそうさまでした。ありがとうございました~<(_ _)> また突然予約して現れるかもしれないので、その際もよろしくお願い致します。
それでは今回はここまで。それではまた、したらなー。