子どもの頃は意識したことがなかったけど、映画と同じでゲームも流れる音楽が大事だなと三十路になってようやく実感するようになった。
とくに場面にピッタリ合った音楽が流れると、見事に感情が揺さぶられて、自分でも驚くほどストーリーに感動してしまうことがあるくらいだ。
思い入れの強いゲームを思い返してみれば、たしかに情景と共にバックで流れているBGMが脳裏に蘇ってくるではないか。
もしかすると、思い出補正はこうした聴覚的な記憶も関係しているのかもしれない。
号泣したゲームの主題歌ってのがある。
たとえば、俺はファイナルファンタジー9(FF9)が大好きなんだけど、エンディングで流れたMelodies Of Life( 白鳥英美子)なんかは今聴いても、ビビを思い返して泣きそうになるくらいだ。聴くと、涙腺を蹴っ飛ばされるような気がするんだね。高速バスで移動してて、iPodからふいにこれが流れたときは参った。窓際だったから、カーテンで顔を隠して誤魔化したけど、ほんとに参った。
あとはポポロクロイス物語。これのエンディングも涙腺を蹴っ飛ばしてくる傑作だ。
ピエトロの旅立ちもストーリーをなぞるような歌詞で、感情移入しきったプレイヤーたちの涙腺を襲ってくる。成人してからのプレイだったため、「こんな幼い少年が、どうしてこんな目に……」とおじさん目線で泣いてしまった。。。ふいに頭をよぎる、「お母さんを返せ!」というキャッチフレーズが沁みる。
思い出補正力を倍加してくれるBGMも外せない。
思い出補正を増すBGM
たとえばドラゴンクエスト7なら、「憩いの街角」や「失われた世界」などを聴くと、じわ~と初めてプレイしてた頃のことを思い出させてくれる。「ああ、塾行くの嫌だったなあ」「アミットのみんなは元気かしら」と思いを馳せられる。
それとラジアータ ストーリーズのBGMはどれもこれも素晴らしい名曲揃いだ。
主に街中で通行人を蹴っ飛ばしたり、ネズミや虫を蹴っ飛ばして喧嘩売って経験値を稼ぐのにハマっていたから、
そのあたりで流れてたバトル突入してからのBGMなどは「ああ、飽きもせずに延々とやってたなあ。今も昔も俺は変わらんね」と思うことが出来る。
音楽の力、侮りがたし!!
遊んだゲーム自体は少ないとは思うんだけど、そのぶん何度も繰り返して遊んでるから記憶に刻み込まれてるんだろうね。
ましてや、良い感じの世界観にピッタリ合った音楽がたくさん使われてるから、より記憶が鮮明になってて、思い出しやすくなってるのかもしれないな。
映画とかドラマとかでも、もしかすると名曲によって名作扱いされてるものもあるかもしれないね。
「これ、すげぇ名作だから」「傑作だから見とけって」と紹介された作品でも、全然ピンと来ないというか、「前衛的、シュールという言葉を隠れ蓑にしてつまらないのを誤魔化してんじゃないの?」って思うようなものがたまにある。でも、BGMは良い感じってのが多いんだ。音楽による補正効果は抜群なんだろうな。
聴覚に訴えかけてくる表現は、視覚に訴えかける表現と同じタイミングで発動出来るもんなあ。
音楽の力、侮りがたし!!