4位 PRIDE22 イゴール・ボブチャンチンVSクイントン・ランペイジ・ジャクソン
両者大好きな選手同士の一戦。
試合直前、向かい合う両者。すると、ジャクソンがボブチャンチンに何か紙を渡しているのが見えた。その段階ではそれが何かはわからないまま、試合が始まった。
ボブチャンチンの左ハイキックがジャクソンに命中。追撃させてなるものかと逆に攻め返してきたジャクソンに対して、ボブチャンチン、冷静にクロスカウンター。さらに飛びついて技を極めようとしたボブチャンチンを、ジャクソンが捕まえ、抱え、持ち上げてリングに叩きつける。
そこから勝機を見出したのか、ジャクソン一気に畳み掛ける。強烈なボディスラムをぶちかます。
ラストはジャクソンがボディブローを打ち、ボブチャンチンの肋骨を粉砕。ギブアップを奪う。
ジャクソンはボブチャンチンを尊敬していたらしい。
ちなみに試合前に渡した紙は、控室に貼ってあった紙を折って、「これは俺のママからの手紙さ」といって渡したみたい。動揺させる作戦だったのか、単なるおふざけだったのか。俺はこういうの大好きなので、さらにジャクソンが好きになった。
3位 PRIDE26 クイントン・ランペイジ・ジャクソンVSイリューヒン・ミーシャ
地味に好きなのは、試合直前のジャクソンによる「モノボケ」だ。
この試合でもそれが楽しめる。試合開始直前、自分のポケットからイエローカードを取り出してレフリーに見せるという行為。意味はわからないが、思わずクスッとしてしまう。
ジャクソンは野性味溢れるイメージが強いが、実際はとてもクレバーな選手だ。ガードも堅いし、常に相手を観察している。ただ、一旦攻め始めると類稀な怪力を発揮する。
組み付いてきたミーシャを持ち上げてリングに叩きつけるほどの怪力。
途中、ミーシャがアームロックを極めかけるシーンが2度ほどあるのだが、ジャクソンは構わず空いている右拳をミーシャのボディに打ち続けた。さらに極めにきたミーシャの技を、体を素早く前転させて外すなど、柔軟性もみせるジャクソン。
スタンディング。ジャクソンの豪腕をかいくぐり、足を取るミーシャ。しかし、ジャクソン微動だにしない。逆にジャクソンがテイクダウンを奪い、そこから高角度から膝を振り下ろす。何度も執拗に振り下ろしていると、そのうちの一撃がミーシャのボディに入ったところでタップ。試合終了。
すぐさまジャクソンがミーシャに手を差し出す。
2位 PRIDE26 エメリヤーエンコ・ヒョードルVS藤田和之
アントニオ猪木に呼び出されて登場する藤田。(PRIDEにもよく現れて、盛り上げてくれる猪木さん)
右拳をぐるぐる回すというフェイントから、一気に鋭く突き刺すヒョードルのパンチ。思わず体勢を崩した藤田。すかさず蹴り込むヒョードル。だが、藤田も負けていない。その蹴りに自ら飛び込み、両腕で抱え込んだ。
藤田の左フックがヒョードルの顔面を打ち抜くと、難攻不落のヒョードルが思い切りふらつきはじめた。一気に場内大歓声。だが、ヒョードル粘る、粘る。すぐに藤田に組み付き、クリンチ。その後、藤田がテイクダウンを奪って、ヒョードルの上に乗るなどチャンス到来。
出血したヒョードル、再びスタンディングへ。
右ストレートを打ち込みざまに飛び込んでいくヒョードル。さらに左のミドルを蹴り込んでから、よろめく藤田の横面に左フックを打ち込んだ。たまらず手をつく藤田に、覆いかぶさるようにヒョードルパンチを打つ。思わず顔をあげた藤田の首元に、ヒョードルの太い右腕がするりと伸びてくる。
そこから一秒もしないうちに、藤田が苦悶の表情を浮かべてタップした。
結果として藤田は負けてしまったものの、最盛期のヒョードルをぐらつかせ、追い詰めかけたのは事実だ。非常に手に汗握る展開だった。