徳島市内にあるあわぎんホールにて、徳島国際映画祭なるイベントが開催されていた。
映画や演劇などをあわぎんホール内、いくつかのスペースを使ってバンバン上映上演しまくるイベントである。
主に徳島県がらみのものが多いわけだが、札幌国際映画祭という超強力な味方がいてラインナップのボリュームを増し増しにしてくれているのだ。
なかでも俺が気になったのは、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督による「正装戦士スーツレンジャー」と、サンドウィッチマン富澤たけし監督による「花嫁の手紙」の2作品。とくにサンドウィッチマン大好きおじさんとしては、「花嫁の手紙」は見ないわけにはいかない一本といえた。ラッキーなことに両方共同じホール、同じブロックでの上映で観ることが出来る。これ幸いと喜び勇んで行ってきた。
入口付近では、徳島県を代表するゆるキャラ・すだちくんがいたので深々とお辞儀。(実は仕事ですだちくんを車で送迎させていただいたことがあるのだ。しかし、向こうは30年近く活躍するローカルスター。俺のことなど覚えてはいないだろう)※ゆるキャラたちが近くに大勢いたのに、会釈とお辞儀を繰り返すだけで写真をまったく撮らなかったのはもったいなかったな笑
俺が到着したのが午前9時すぎ。開場から間もなかったこともあり、札幌国際映画祭の作品が上映される第1会場もまだガラガラで席選びたい放題だった。(そう、このイベントは凄い作品が観られるのに入場無料なのだ!)
映画が観やすそうな席に腰掛け、あとは始まるまで入り口でもらったパンフレットを隅から隅まで読みまくって過ごした。
やがてイベント開始の9時30分がきて、イベント開始。20分ほど各作品の監督やプロデューサーたちによる舞台挨拶を楽しんだ。
徳島県など田舎に住んでいると、舞台挨拶というのが非常に縁遠いもので30歳にして初めて舞台挨拶を眺めることになった。なるほど。これから観る映画の生みの親たちの話を聞けるのって良いな。ちなみに当然といえば当然だけど、富澤たけし監督は超絶多忙のため山谷博プロデューサーが代わりに壇上で話をしてくれた。(熱烈!ホットサンド!のプロデューサーである)
午前9時50分ごろ上映開始。
※ネタバレはしたくないので雰囲気の感想等に終始するが、予めご了承ください。
正装戦士スーツレンジャー(上田慎一郎監督)
10分ほどのショートフィルムなんだけど、イベント初っ端にふさわしい楽しめる作品。
タイトルのとおりコミカルな特撮ヒーロー風の作品で、随所にツッコミどころが配置されていて皆で楽しく観る作品だった。
ちょうど前日の金曜ロードショーで「カメラを止めるな!」を観ていて、個人的にテンションがちょうど上っていたので良いタイミングで観られたかな。
夢(野上鉄晃監督)
あの世にいく前に、1日だけ過去のあの日に戻れるとしたら――。というテーマを描いた作品。
正直、10分足らずの作品でここまで涙腺をぎゅーっと絞られるとは思ってなくて、イベント開始早々泣きそうになった。
ひとりの人を思い続けた男のたったひとつの後悔の正体がわかるんだけど、観てる途中で想像はついてたんだけど、これがまあ素敵な作品だった。
CHOREOGRAPHER(山田裕一郎監督)
ダンサー平原慎太郎さんを追ったドキュメンタリー映画。
ダンスによる表現を追求する男のドキュメントで、その世界のことをまったく知らないのに引き込まれていくのを感じた。
バイバイ、ホーホ(片岡翔監督)
俺の大好きなマンガ「町田くんの世界」の映画脚本を手がけた方が監督。
実はぬいぐるみ好きな監督が「ぬいぐるみを使って映画が撮れないか」と考えて作った作品だそうだ。
大好きな父親の死を乗り越え、ひとつ大人になっていく少女の成長を切り取った物語。
TOKYO2001/10/21 22:32~22:41 (奥山大史監督)
正直言うと、この日一番度肝抜かれたのがこの作品だった。
映画に詳しくなくて、なんと表現したら良いのかわからなくて悔しいが、写真を使った動画というかアニメーションというか、そういう作品。
大竹しのぶさんが出演しているんだけど、さすがの存在感だった。
作品全体通して終始抱く不気味な違和感が、特殊な映像によるものなのか、女優大竹しのぶワールドによるものなのか、俺にはハッキリわからないが「こ、こりゃ凄い映画だ!」と内心ブルブルガタガタ震えた作品だった。
花嫁の手紙(富澤たけし監督)
サンドウィッチマンのネタ「花嫁の手紙」を映画用に肉付けした作品。
まず変なカツラをかぶったおじさん(伊達みきお)で会場が沸く。サンドウィッチマンのネタっぽい言い回しの台詞に会場が沸く。メインの花嫁が手紙を読むシーンでめちゃくちゃ沸いて、ウエイター(富澤たけし)で沸いて、エンドロール後におじさん(伊達みきお)で沸いて終わった。
花嫁の反抗期の回想シーンも非常に良かったね( ̄ー ̄)ニヤリ 福田沙紀VS風間トオル。
会場に来ていた老若男女関係なく笑っていたので、好感度No.1芸人の実力の高さを改めて実感した。ただ面白いだけじゃなく、ちょっと泣きそうにもなったのもポイントだった。
まとめ
結局、2日目の第一ブロック(札幌国際短編映画祭ナショナル+北海道プログラム)のところだけ観て会場を出た。
なので、肝心の徳島県がらみのは1本も観れずじまい。まあ長くいると駐車料金がポンポン上がっちゃって、おつかい頼まれてたROYCEのチョコレートとか何とかかんとかのキャラメリゼが買えなくなるからね。
泣く泣く諦めたってわけだ。(午後まで粘れれば、富澤たけし監督の「聞き込み」も観られただけに残念)
でも、観たいと思ってたのは全部観られたし、思わぬ良作に感動も出来たし、言うことなし。
もし来年も徳島県にいたなら、次はガッツリ朝から晩までいて観まくりたいね。
良い映画にまみれて良い一日だった。