「これは、『まあ入れよ』ってことか」と剣山に招かれたと勘違いしながら、いぼいぼ軍手とヘルメット、ヘッドライトを装備して梯子を降りた。
中はさらにヒンヤリ。足元は水浸し。下から冷たい空気が舞い上がってくる。
暗くてよく見えないが奥からずーっと水が流れてきている。
何でもここに流れ出ている水は、水源がわかってないそうだ。
そんな不思議な水を眺めつつ、何気なく頭上を見上げてみた。すると、
極太の氷柱。上からポタポタ水滴が落ちてきていた。
さらに奥に進めそうに思えたんだけど、挟まって動けなくなったら怖いので、さらなる探索はまた違う機会に。(梯子を降りて洞窟に入っただけで満足したのである)
まだ体力に余裕はありそうだ。もう少し進んでみよう。
メインの不動の岩屋に入れて、ご機嫌な俺はさらに行場コースの奥へと歩いていくことにした。
その判断が自分を恐怖のどん底に叩き落とすとも知らずに……。