徳島県には「でこまわし」という伝統的な食べ物がある。主に里いもやコンニャクなどを串に刺して、味噌を塗りつけて焼くだけのシンプルなものだ。
でも、俺はこんな徳島県ブログをしているのに、でこまわしを食べたことがない
そこで貞光(つるぎ町)の山道沿いにある「龍王でんがく」というお店で初でこまわしを体験することにした。(厳密に言えば、いわゆる「でこまわし」ではないと思われるが、この際「串に刺さってりゃ全部でこまわしだ」と俺ルールを適用させてもらった)
この竜王でんがくは決して大きいお店ではないし、小洒落た雰囲気もない。
だが、お店のおっかさんが最高なのだと評判なのだ。でこまわし初体験も、おっかさんのキャラクターも楽しみにしながらお店にいってきた。
ちなみに雪山化した剣山に行った帰りの話である。
事前に得た情報によれば、竜王でんがくは毎週土曜日、日曜日、そして祝日(祭日)のみの営業で、時間は午前9時~午後4時まで。
俺が店についたのは、土曜日の午後3時過ぎ。車をとめ、お店に入っていく。「もう3本しかないけどええで?」と噂のおっかさんらしき女性。ええも悪いもないので、「はい。1本ください」と答えて、じゃがいものやつを注文した。
おっかさんが店先にあるイートインスペースまでお皿に乗っけた「じゃがいものでんがく」とお茶を持ってきてくれた。
まずはでんがくひとかじり。
旨いね。じゃがいもは何と合わせても高い満足度を感じさせてくれる。ホクホクしたじゃがいもに、炭火で焼きつけた味噌。ほんのり焦げ目のアクセント。
食べながら、おっかさんと会話も楽しむ。
何でもこの店をはじめて20年くらいになるそうだ。
他にも狭い通りについて話したり、剣山の話をしたりしたのだが、このおっかさん、実に話上手にして聞き上手。とにかく話していて楽しい人である。
コミュニケーション能力はあやかりたいくらい高い。なるほど、評判の高さはこういうところなんだろうな。
また店の裏側には綺麗な川が流れていて、そのせせらぎが落ち着くBGMになっている。せっかちな俺すらもゆったりさせる空間だった。
旨いでんがくと、コミュニケーションの達人と、大自然。三位一体のおもてなしが100円から堪能できる龍王でんがく。
剣山や貞光の景観を楽しみに行く際にはぜひ一度訪れてもらいたいお店だ。