「え? これ、大じゃないんですか?」
思わず聞きそうになるのと同時に、「(大)にしなくて本当に良かった」「あのとき咄嗟に(中)に言い変えたのは我ながらファインプレーだった。江夏の21球並だ」と思った。
変な喩えはさておき、このボリュームに一瞬圧倒される。
そして、ざっと内容を確認してみる。
たっぷりの豚バラ肉。シャキシャキと歯ごたえの良さそうなもやしにカイワレ大根に、ネギ。
いかにも濃厚そうなスープ。うん、今ちょうど俺が食べたかったラーメンだ。
喜び勇んだ俺は、箸を持って手を合わせて「いただきます」をした。
大事な大事な「食事」という儀式のはじまりの合図である。
スープをひと口。むっ、意外と温めか?
なんて思ったのもつかの間。器の底からジワリジワリと時間差で熱を帯びたスープがマグマのように溢れてくる。このサプライズ。良い!!
それからは無我夢中で食べた。食べに食べた。
途中、また別のおじいさんが相席として隣りに座ったが、お構いなしに食べ続けた。
甘辛い豚バラ肉はもうそれだけで丼飯食えちゃうくらい美味いし、シャキシャキ歯ごたえ抜群のもやしとカイワレ大根もスープによく馴染んでて美味い。ネギはわざわざ触れるまでもない。
「子どもが安心して食べられる素材を……」というこだわりがある店らしく、一切の妥協を許さない強い信念を感じた。
しかし、麺の多いこと多いこと。美味いから問題なくゾゾゾ、ゾゾゾとすすっていけるが、それでもかなりの量がある。あとでTwitterのフォロワー様に聞いたところ、量が多いでお馴染みだったらしいね。これは完全に俺のリサーチ不足。(今に始まったことじゃないけども笑)
完食まで10分くらいかかっただろうか。俺にしてはかなりの長時間である。(別に速さを求めてるわけじゃなく、単に食い意地が張ってて、美味しいものを目の前に我慢できないだけである)