あまり意識したことはなかったが、壁画をキャンバスにした作品というのも面白いなと改めて思った。紙に描いたものとは違った、妙な立体感のようなものがあるのが新鮮に思えたのだ。
帰宅後に実感したことだが、どうやら俺はこういう室内全面を利用した芸術作品を観ていると目が回ることがわかった。館内でも「何か目が回るなあ」と軽い目眩を覚えていたのだが、いざ帰宅し、撮った写真を眺めていると再び目眩を覚え、それがこういう作品の写真のところで顕著だったので発覚。
平面のようで平面ではなく、立体のようで立体ではない。絵画による不可思議な禅問答のようなものが俺の感覚に直接訴えかけてくる何かが、俺を絵画酔いさせているのかもしれないと思った。