10分ほど待っていただろうか。その間に次から次へとお客さんがご来店。家族連れやカップル、おじいちゃんおばあちゃんなど、まさに老若男女問わずの大繁盛だ。
どうやら、俺がやってきたタイミングは、ちょうど開店直後と12時というお客さんいっぱいやってくる時間帯の第1波、第2波を終え、第3波に入る直前ギリギリだったようだ。
危ない危ない。
安堵の一息をついたとき、「お待たせしました」と「チャーハン(小)セット」がやってきた。
ちらっとチャーハンに目をやった。思わず頬が緩みそうになる。
「ひゃっほう、俺の好きな香ばしめなヤツっぽい」という声が出そうになるのを、ラーメンのスープをすすって飲み込んだ。
あっ、美味い。スープも美味い。
そこからの俺は、もう一心不乱に貪り食うだけの化け物となった。何しろ前日の晩飯から数えれば10数時間ぶりの飯なのだ。それも無理からぬことだった。