ノーマルタイプに、長崎南蛮ソース、中華チリソース、照りマヨソースなどがラインナップされている。が、ここはノーマルタイプで実力の程を確かめてみたいと思った。
スキンヘッドのにこやかな笑顔の大将が目の前で揚げてくれる。その手際の良さに思わず、「写真撮っても大丈夫ですか?」と言うと、快く受け入れてくださった。
いやあ、良いねえ。鶏が揚がってくのを眺めるってのは。壮観極まりないね。油の跳ねる音も耳心地が良い。目の前で揚がるっていうことは、揚げたてほやほやを食べられるということでもあるから、否が応でも頬は緩む。
池波正太郎氏も言っている。「天婦羅は揚げたそばから食べろ」って。唐揚げは天婦羅ではないけど、同じ揚げもの。揚げて即食べるのが一番旨いはずだ。
500円を支払い、受け取る黄金の唐揚げ。
そして、その足でそのまま西側にあるベンチに腰掛ける。もう食う。選択肢はそれ以外にあり得ない。(えっ? 「食べ歩けば、もっと最速で食べられる」って? 馬鹿いっちゃいけねえ。一度食べ始めたら、食に集中して歩くのが疎かになって転ぶに決まってる。一度に別々のことが出来ない男なのだ)