朝10時から開いているという、龍宮の磯から歩いてすぐの定食屋さん。その名も「竜宮」。のれんをくぐり、店に入るとニコやかなおばちゃんふたりが出迎えてくれる。
もうすでに常連さんらしきおじいさんが黙々と食事中。
どうやらカウンターで注文するシステムのようで、しばらく突っ立って壁に貼られたメニューをがん味して吟味。俺にしては結構熟考。
そばやうどんだけでもメニューが豊富なのに、さらに作り置かれたお惣菜もめちゃくちゃたくさんあって悩む悩む。。。
結局、「月見そばください」と満面の笑みで注文。(支払いは後払い)
そして、適当な席に座り、店内を眺めて過ごす。
すごく巨大でド派手な凧が店内を彩っていた。お店の名前「竜宮」って書いてあるから、もしかしたら常連さんからの贈り物かもしれないな。
ほら、鳴門のわんわん凧ってのがあって、無形民俗文化財になってるし。
使い込まれているけど、掃除が行き届いていて清潔感があるのは良いね。やっぱりご飯食べるところは綺麗でなくちゃ。
この椅子の感じもいいよね。湾曲してて、背中にフィットする感じが何とも落ち着く。海岸探索で少し疲れた俺の体をふわっと包み込んでくれるのだ。
ほどよい背もたれに甘えていると、次々に常連さんらしきお客さんがやってきた。で、中にはお惣菜なんかをテイクアウトする人もいる。おばちゃんと常連さんのやり取りが聞こえてくる。
夫婦でお昼ご飯をテイクアウトしにきた常連さん。釣りにきたけどボウズで終わってしまった常連さん。実にいろいろな常連さんがやってきては、おばちゃんたちと楽しそうに話をしていた。
まだ何も食べてないのに、おなかがいっぱいになるような感覚にみまわれた。
「お待たせしましたー。あああっ!」
おばちゃん、うっかり俺のそばを少しこぼしてしまう。しきりに謝るおばちゃんに「大丈夫です、ちょっとこぼれただけなんで」とフォローしながら受け取る。
月見そば
想像以上に旨そうな月見そば。「えっ、マジで?」と二度見するくらい理想の月見そば。これはまさに俺が好きなタイプの月見そばじゃないか(*´▽`*)
当たり前だけど、熱々でうれしいね。この日は少し気温が低かったうえに、海岸を歩き回ってて体が冷えてたから特にありがたかった。
出汁も少し濃く、沁みる。そばも絶妙。油揚げの出汁の吸い具合、ネギの量、すべてがちょうどいい。ついでに言うなら、器のデザインも好みだ。
とりあえず半分くらいまでは、そのままいただき、半分すぎたころに卵を割って溶く。うんうん、一気にマイルドになる。
なるほど。出汁が濃いめだったから、卵を溶いた後もちょうどよく、おいしく食べられるってわけか。おばちゃんの計算通りってわけだな。
ごちそうさまでした(*´∀`*)
暖かく、温かい竜宮での食事で心も腹も満たされた俺は、ふたたび海岸に向かって歩き出すのであった。