信仰心はあんまりないが、神社仏閣はわりと好きなんだな。
歴史があるでしょ。
歴史があるってことは、そこにたくさんの人たちがいたってことでしょ。
崇めた人たちや建築した人たち、参拝した人たちや境内で遊んだ人たち。そう言うのが染みついた雰囲気、空気感が何か好きなのよ。
で、いろんな神社を訪れるたびに不思議に思ってたことがある。夏休み、冬休み子ども相談室みたいなことなんだけどさ、
どーして神社には大きな木が植わってるんですか?
ってことね。絶対あるでしょ。もの凄くでっかいでっかいぶっといぶっとい木が。綱引きのやつみたいなしめ縄がまかれてて、参拝者を出迎えてくれるじゃないか。あれが好きなんだけど、なんであんな大きな木があるんだろうって不思議なのよ。
いわゆる御神木ってことなんだろうけどさ、最初から植わってたのかな? 最初から木ありきで神社建てたのかな?
御神木が先なのか、
神社が先なのか。
コロンブスの卵みたいな問答。
もしかすると、「こりゃとんでもなくデッカイ樹だから、もしかすると何かとてつもないものが宿ってるに違いない」と昔の人は思って、そういったところに神社仏閣を建てたのかな。
それか「これだけ大きく育ったってことは、物凄く長い年月のあいだ天災も起こらなかったということ。つまりご加護でもあるのだろう」と思ったからだろうか。
ネットで拾った情報だか、テレビで観た情報だか忘れちゃったけど、地図上で神社ばかりを線で結んでいくと、その線より内側は洪水などの被害にあってない古いハザードマップみたいになってるって聞いたな。
そのあたりが関係するのだろうか。まあ、それにしたって結局御神木が先なのか、神社仏閣が先なのか、はたまた「天災に遭ってない」という話が先なのか、全然はっきりしないんだけどね。
ちょろっと調べてみたら、西日本の御神木って大半が楠(くすのき)らしいんだよね。実際、俺が「わあ、すげぇ」と見上げた御神木は全部楠だった。
何でも楠っていうのは、ところかまわずニョキニョキ生えてくるたくましさがあるらしい。だから、境内だろうと何だろうとドンドン育っちゃうという。
でも、「邪魔だなあ」と切っちゃわないのは何故か。
ここからはよくある怖い話みたくなるけど、切ろうとした人たちに不幸が襲いかかる的なアレがちょくちょくあるとかないとか。そういうわけで切らずにそのまま生長するがままにしてて、ドンドンニョキニョキ巨樹に育っていくみたい。
ただ、でかくてぶっとい巨樹って格好いいよね。
ただ、それだけの、お話。