まず前回までのあらすじをおさらいしとこうか。
2年ぶりに大釜の滝を訪れた俺は、テンションがあがって滝に近づくべく水に浸かりながら移動をした。んで、岩に上って、水を汲んで飲んだ。で、帰りも同じように岩を下り、水に浸かりつつ戻っていったというわけだ。
そして、「そうだ、せっかくだから手掘りトンネルも撮っとこう」とカメラをまわしながら、トンネルに入るんだけど、前から軽トラがやってきた。車一台しか通れない狭いトンネルなので、大慌てで元来た道を走って逃げる俺。
あきらめて車に乗ろうとしたら、車が開かないわけ。本来鍵を持った俺がボタンをポチったら、ガチャコンと鍵が開くはずなんだな。でも、最近調子が良くなくて、たまに「鍵を取り出して直接ロック解除ボタンを押さんと開かない」パターンもあったから、「またそれだな。しゃーねえな」と鍵を取り出そうとポケットに手を突っ込む。ない。
「あれ? 左のポッケか?」と手を突っ込む。ない。
「あー、リュックん中か」と中身を全部出して調べてみる。ない。
このあたりから身体の至る所から冷や汗脂汗がタラタラタラタラ……。
鍵、落としたんか? 俺……!?