「俺、最近車運ないからな」という思いが頭をよぎった。(俺は今年に入ってから、これまで一度もなかった脱輪と交通事故を起こしているのだ。。。)
「マジか……嘘やん……」
しかし、でも、だが、途方に暮れていても鍵は見つからない。なければ見つかるまで探さねばならない。それはもう徹底的に草の根を分けても探し出さねばならない。
俺は吸い込んだ息を大きく吐き出し、気持ちを落ち着けた。そして、「とりあえず覚えている限り通ったルートをもう一度通ってみよう」と決めた。
もう一度階段を降り、滝に向かって進むことにした。
長い階段を一段一段。よく目を凝らしながら確認しつつ降りていく。鍵は落ちていなさそうだ。
となると、もう一度濡れねばなるまい。この日に限って俺は靴のままジャージのまま水に浸かって移動したのだから。だが、この時点で「水に浸かったときに落としてたらマジアウトやな」という考えが頭に浮かんだ。