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【徳島市】新町川をゆく!ひょうたん島クルーズ初体験記録【船旅】

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徳島県の県庁所在地である徳島市。

同市には、新町川という川がある。川とは言われているものの、水質的にいえば海みたいな感じ。かつてこの川でハマチが釣れたという記録もあるから、近くを歩く際には注意深く川面を眺めながら歩いてみるのも面白いかもしれない。

そんな新町川では、「ひょうたん島クルーズ」というNPO法人新町川を守る会という方々が運営している、遊覧船で徳島市の川の上で観光が楽しめるサービスが存在している。

るるぶなどにも載っているだろうから、ご存じの方も多いかもしれない。

でも、俺は今まで乗ったことがなかった。平日に有給がとれた、「まるで梅雨とは思えない」ような晴天のある日、「ちょっくらクルーズに乗ってみようか」と思い立ち、新町川へと向かった。

厳密に言うと、遊覧船乗り場は「新町川水際公園ボートハウス前」ってところなんだけど、徳島駅から新町川に沿って、東に向かって延々と歩いていると、ちゃんと目印が見えてくる。

午前11時を第1便として、そっから40分おきに15時40分発の最終便まで乗れることが書かれている看板に出くわす。そこに書いてある情報によれば、7月と8月だけ限定17時から19時40分まで5便追加されて、ナイトクルージングが楽しめるようになっているようだ。(2023年7月現在)

ちなみに1周コースは大人400円、子ども200円(小学生まで)となっており、個人的には非常にリーズナブルなお値段設定になっていると思う。

まだ梅雨明けもしていないというのに、カンカン照りの猛暑。歩いているだけなのに汗が滝のように流れて止まらない。一刻も早く船に乗り込み、水上を風を切って進んで涼みたいところ……。

沈む夕日を眺めながらクルージングを楽しめる「吉野川サンセットクルーズ」の看板を横目に、「独り身のあっしには関係ねえ話でござんす」と口の中でつぶやいたとき、目的地が視界に飛び込んできた。

ふむふむ。どうやら乗り場に到着したらしい。

遊覧船、遊覧船と書いてきたけど、厳密には周遊船なのね笑

とりあえずこの木製の橋を渡っていくと、やたら屈強なスタッフの方がにこやかに声をかけてくれた。「ひょうたん島クルーズに乗りたいんですけど、どうしたらいいですか?」と訊ねると、「あちらで400円をお支払いください」と教えてくれた。

お金を支払い、オレンジ色のライフジャケットを受け取った俺は、11時の出発まで並べられた白い椅子に腰かけて待つことにした。その際にスタッフの方に、動画等の撮影許可をいただいていると、それを横で聞いていたマダムが、「あなた、そういう活動されている人?」と声をかけてくださった。

そこから仲良くなった我々は、11時まで楽しく会話。船も一緒に乗り込んだ。

これがひょうたん島クルーズ専用の船である。座ってみるとわかるのだが、なかなか良い値のするソファーと同じような質感の椅子である。

そして、こちらが船長だけが座れる操舵席。この年季の入り具合、日に焼けまくってて良いよね。

でね、マダムと「どこに座る?」なんて友達みたいなやり取りをしていると、いかにも「ベテラン船長」といった風合いの、海の似合う男性が乗り込んできた。彼こそが今回我々2人をステキなクルージングへ導いてくれる人であった。

見たまえ。これが海の男の背中だ。まあ、我々がいるのは川なんだけども、水質がほぼ海みたいなもんらしいから、細かいことは言いっこなし。格好いい親父さんなんだ、これが。

本人曰く、今かぶってる青いキャップは7つ目で、これまでに6つ風で飛んで行って行方不明になってしまっているらしい。ハンドル握って7年目とのことだから、年に1つ紛失している計算だ。そういうところもご愛敬。(那賀川の事務所にいたときに作ったものらしく、青の他に黒色もあるらしい)

ひょうたん島というのは、JR徳島駅や徳島城跡、徳島市役所や徳島大学を背に乗せた地域が、上から見るとひょうたんのような形をしていることから、そう呼ばれている。

引用元:Googleマップより拝借

いや、このあたりもね、車で通りすぎることは何度も経験しているし、阿波踊りを観に来た際なんかは近くを歩き回ってもいる。でもね、やっぱり水上から眺めてみると、何となく雰囲気が違って見えるんだな。

それに船からだからこそ「ああ、こんなところがあったのか」と改めて気がつけるものも沢山見られた。

このひょうたん島クルーズでは、約6キロを25分前後かけて船で進んでいくわけなんだけども、その間、いくつもの橋の下をくぐる。こればかりは車でも、徒歩でも見られない光景が広がっていて、面白い。

あまり写真撮ってる暇がないくらい、船長とマダムの話が面白くて、ついつい聞き入ってしまって、いっぱい良さそうな写真を撮り逃してしまった笑

「かつてこの辺りは貯木場だった」とか「新町川はヘドロ川だった」とかね。あとは何故か話題に上がった「噴水式自動販売機」の話も面白かったな。何か10円とか30円とかで、噴水状にジュースが飛び上がって、そこにコップ差し出して汲むシステムで呑める自販機の話だったんだけど、昔は結構いろんなところにあったみたいね。

あと、それこそ「何故か2つある福島新橋」も不思議だよね。同じ名前の橋が2つあるんだ。船長をもってしても理由は「ようわからん」らしい笑 

そういえば、船長が言ってたんだけども、助任橋の工事の都合?で来週(7月半ば以降)くらいから従来のルートを周遊できなくなるかもしれないとのこと。「え? そうなったらどうするんですか?」と聞くと、会長さん?に確認したら「まあ何とかなるわい」とドコ吹く風な返答だったらしい笑

おそらくルートを変更して周遊して、クルージングを行なうんだろうけどね。

そんで、この松がたくさん手を広げているポイントが、船長一番のオススメだそうだ。なんでも江戸時代から存在していて、非常に歴史ある松たちなのだそうだ。

俺もこの松たちのある風景は良いなと思った。その歴史云々は難しくてわからないけれど、新町川の海っぽさの部分を上手に演出している風に感じたから。

ほら、海には雑木林があって、大抵ああいうのって松の木々が並んでるイメージじゃない? だから、川だけど海であり、海だけど川な新町川の海の顔が垣間見えるようで面白いと思ったのである。

また、この辺りの土は江戸時代から残っている当時ものらしい。3,400年前のものが残り続けているのもロマンがあるよね。

おそらく日本で唯一「町の真ん中の川」にヨットハーバーがあるらしいのも見どころだな。たしかにヨットが並んでんのって「海」のイメージだもんな。言われてみれば、何十隻ものヨットが両サイドに並んでいてさ、圧倒されるくらいぷかぷか浮いてんの。

富田川橋完成して110年経過しているが、現役バリバリ。船上で頭上を汽車が走り抜けるクルージングってのも、スリルがあって良さそうだなあ。

クルージングも終盤に差し掛かった時、船長が何気なく「映画 眉山」(徳島県を題材にした、さだまさしさん原作の映画)の撮影秘話を語りだした。(が、それは船長に直接聞いてみよう笑)

ちなみにひょうたん島クルーズに乗って、船長によるガイドがめっちゃ聞きたい場合は朝一(午前11時)が最高だと思う。なぜなら船長が元気いっぱいの状態だからである笑 どうしても時間が経つとお疲れモードに入ってしまうのは否めないのだそうだ。

なので、ガンガン船長の話聞いたり、お話したりしたい場合は早いめに乗って、静かにゆったり巡りたい場合はお昼2時、3時以降に乗るのがオススメ。また、スタッフの方によれば、季節によって見えてくる風景も異なってくるので、春夏秋冬四季折々に訪れてみるのもオツとのこと。

こうして25分程度で周る予定だったのが、思いのほか盛り上がったため30分超となった船旅が終わっていったのであった……。

この夏休みは、世界中がいろんなことを乗り越えて、ちゃんと迎える久々の夏休み。

阿波踊りを楽しみがてら、優雅にひょうたん島クルーズに乗って船長のマシンガントークを楽しんでみるのもいいかもしれない。

それでは今回はここまで。それではまた、したらなー。

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