徳島県最強を決める「徳島一武道会」。細かく頑張って準備して、ネタを仕込んだ割には評判がよくないでお馴染みだが、くじけることなく決勝戦の模様をお伝えする。これが週刊トクシマのプライドである!!!
今回の決勝戦で徳島一武道会トーナメントの覇者が決まる。
そして、同時に現在徳島王者としてベルトを持っている、孤独な疑惑の王者・徳嶋ダイスケへの挑戦権を得ることが出来る。果たしてトーナメント覇者となり、絶対王者に挑むことが出来るのは誰なのか……?
決勝戦
あおりいか選手VS MATCH選手
「渦潮からの刺客」という異名は伊達ではない。文字通り荒波に揉まれながら過ごす日常そのものが、まさに修行。生まれたときから生き抜くために戦い続けた結果、鳴門の渦潮はとんでもない最強選手を生み出した。
それがこの、あおりいか選手である。
第1回戦からの3試合で他の選手を一切寄せ付けず、完勝につぐ完勝。最も徳嶋ダイスケを脅かす存在なのではないかと期待されている選手。
そんなあおりいか選手に対するは、大塚系ドリンク軍団・ビタミン系男子MATCH選手。無類の打たれ強さを誇り、ここまで3試合すべて相手の攻撃を受けきりながら、なぎ倒してきた猛者中の猛者だ。
泣いても笑っても、これがトーナメント最終決戦。
この一戦に勝利した者だけが、現徳島王者・徳嶋ダイスケへの挑戦が認められる。大事な大事な一戦。絶対に負けられない一戦。
徳島最強への挑戦権を得るのは、あおりいか選手か。それともMATCH選手なのか。運命の試合開始!!!
決勝にまで残ってくるレベルの選手というのは、当然のように高いディフェンスを備えている。相手の攻撃を受けたり、いなしたりする高等技術を持ちつつ、その上に何か突出した武器を持っているものだ。
この徳島一武道会においては、その防御力以外に突出した何かこそがカギを握る。あおりいか選手は、無尽蔵の体力。スタミナ。そして、猛者集う今大会でも上位クラスに入る高い攻撃力。
一方、MATCH選手は体力に優れた選手だ。その防御力以外に持つ突出した武器の差が、試合展開にどう影響してくるのか……。
試合開始直後は互いに牽制しあいつつ、ジャブの差し合いで様子見。しかし、両者ともに戦いにおける嗅覚が素晴らしく、機を見るのが抜群にうまかった。ステップワーク時の、ほんの一瞬だけ生じた隙を精確かつ大胆な攻撃でせめぎあう2人。
しかし、最後は防御力以外で、優れたあおりいか選手の変幻自在の蹴り技の連打に耐え切れず、MATCH選手がノックダウン。その瞬間、レフェリーが試合を止めた。
同時にあおりいか選手の徳島一武道会トーナメント制覇が達成された!
そして、あの男がリングに登場した。
絶対王者 徳嶋ダイスケ、登場。
手作りのチャンピオンベルトを肩にかけ、意気揚々とリングイン。
そして、あおりいか選手に向かって舌を出して挑発する徳嶋ダイスケ。会場はブーイングに包まれた。登場するや否やヒール扱いになってしまう。
徳嶋「やい、あおりいか。トーナメントを制覇して調子に乗っているようだが、そんな程度では徳島王にはなれねえんだよ」
あおりいか「なんじゃお前。トーナメントにも出んと、最後だけ現れやがって」
徳嶋「ふん。知るか。これは俺が主催の大会や。四の五の文句言うな。ただトーナメントを制覇したご褒美に、この俺がお前からの挑戦を受けてやるわ」
あおりいか「ほう、この俺様の戦いぶりを見とったくせに戦うっちゅうんか。勇気があるんか、無謀な阿呆なんかしらんけど、やったろうやないか」
徳嶋「どっちが無謀な阿呆か、教えてやらぁ!!」
そんなこんなで急遽タイトルマッチ戦を行うことになった、徳嶋ダイスケとあおりいか選手。その結末や如何に!!!
タイトルマッチ 徳嶋ダイスケ選手VSあおりいか選手
10年以上前にボクシングジムに通っていたという噂や、ゲームセンターのパンチングマシーンで遊ぶのにハマっていたという噂だけはある徳嶋ダイスケ。しかし、誰もその真の実力を知る者はいない。
突然徳島一武道会を開催し、自ら王者を名乗り、リングにいる謎の男。
果たしてその実力は……?
徳嶋「おんどりゃああああああああ」
威勢が良いのは声だけの徳嶋ダイスケ。勢いよくパンチを繰り出すが、あおりいか選手との力の差は歴然。4発の攻撃で撃沈。一瞬のうちに王座陥落。
あおりいか選手、すぐさまチャンピオンベルトを奪い取り、両手でそれを掲げて雄たけびをあげた。会場全体が歓声と拍手に包み込まれた。
2代目徳島王者・あおりいか選手のコメント
「トーナメントさせて、自分は戦わずにベルトを巻く。徳島王ってそういう称号じゃねーから。誰だよ、アイツを王者って言ったヤツ出てこいよ! 俺様こそがTHE徳島王! 強いヤツ、かかってこい! 俺様は誰の挑戦でも受けてたつ! ふははははは!」
そういうと、あおりいか選手はベルトを肩にかけて、鳴門の渦潮に潜っていった。
敗北者の弁 徳嶋ダイスケのコメント
「アイツはずるい。何しろ足が10本もあるからな。だが、正直強かった……完敗だ。俺は今回で引退するが、今後は第二、第三の徳嶋ダイスケを刺客として送り込んでやるからな。覚えておけ、イカ野郎!」
前王者はそう言って、やわらかスルメをかじりながら、地団駄を踏みながら帰っていった。
こうして、徳島一武道会は幕を閉じた。
果たしてあおりいか選手を脅かす猛者は現れるのか。そして、大変手間のかかる企画のわりに評判が良くなかったこともあり、そもそも第二回大会が開催されるのか。
正直、疲れきったが、また別の企画を思いついたので、気が乗ったら勝手に開催してみようと思う。以上、徳島一武道会でした(*´▽`*)