「えっ、この杉が道の真ん中から生えてる先を行くの?」と思ってため息をついた、その時だった。
頭上から「ぶおおおおおおッ! ぶおっ! ぶおっ!」という謎の咆哮が聞こえてきた。
俺は桃太郎ではないため、動物の言葉はわからない。だけど、「ぶおおおっぶおおおっ」と言う咆哮から威嚇の意味を感じ取った。
「来るんじゃねえ」みたいなことを、何となく俺に向けて唸っているような気がしたのだ。
ふと足元に動物のものらしきフンを発見。しかも、その量が見たこともないくらい多い上に質的に草食動物のソレではなさそうだったことに驚いた。(またそれが新鮮そうなのよ。。。)
量と質、鮮度からみても何かしら巨大な草食じゃない動物が近くにいるようだ。もちろん、このとき唸っているヤツがフンをしたヤツなのかはわからないが、こっちは丸腰のチビおじさんである。山のどこかで俺に照準を合わせて怒り狂ったように唸りまくる謎の獣。うっかり先に進んで遭遇したら、ドンッとすさまじい体当たりされて死んじゃうんじゃないか?
もう完全にビビって折り返した。こういうときは素直に引き下がるしかないね。。。自然には完全白旗。これしかないわ笑
むしろ唸っといてくれて助かったと思う。じゃないとそのまま進んで、やられてたかもしれない。
もう完全にビビっちゃった俺は、転ばないように気をつけながら慌てて車に戻った。
とりあえずお気に入りのラジオ(録音したの)をかけて、気まぐれに車を走らせリラックスしようとした。