「肉入り中華そばの……」
ほんの一瞬、「(大)で」と言いそうになったが、とっさに「(中)でお願いします」と変えて言った。
いつの間に入っていたのか、もうすでに店内にはお客さんが何人かいて座っていた。
どうやら常連さんたちらしい。「おおっ、どうも」「久しぶり」などと挨拶を交わしている。
何となく6人がけのテーブル席に腰を下ろす。 (こういう常連さんの多い店だと、カウンター席は◯◯さんの指定席みたいな暗黙のルールみたいなのがあるかもしれないと勝手に俺が思ったからだ)
しばらく壁にかけられたテレビでやっていたジャパネットたかたを見て過ごす。
ダイソンの扇風機の良さを楽しそうに説明していた。それをぼーっと見ていると、店員さんがやってきて、「すみません、相席いいですか?」と訊ねてきた。
俺が座っているのは6人がけのテーブル席。「はい、もちろんどうぞ」と変な日本語で答えると、おじさんがやってきて「すんませんな」と笑顔で俺の前に腰を下ろした。
どうでもいい話だが、俺は相席は嫌いじゃない。案外面白い体験が出来るんじゃないかとワクワクするからである。(もっともこの日は特になかったが)
肉入り中華そば(中)を持ってきてくれた。
俺は我が目を疑った。