結果から言えば「おくさり場」は見つけられなかった。ただただ足場の悪い、斜度が異様なルートを登るはめに。数歩進んでは休み、数歩進んでは休みを繰り返す。
山登りで大切なことは、休み休みであっても、小さな一歩一歩であっても、進み続けている限り確実にゴールに近づけることを意識することだと思う。
1時間ほどかかって、俺たちはようやく正規ルートに出ることができた。階段や鳥居、山頂付近の建物の様子が見えたときの安堵感は何とも言えない。
鳥居をくぐり、意外とキツイ階段を一歩一歩踏みしめながら上っていく。そして、見えてくるヒュッテ。前回はカレーを食べさせてもらった、山頂の憩いの場である。
本当ならばすぐにでも食事をしたかったんだけど、初剣山登山なマーにはまず頂上を見せたかったし、やりたい儀式がまだ済んでなかった。なので、まず先に山頂を目指して進んだ。