ハレとケデザインホステルへ
予約した11月9日は、何を隠そう俺の31度目の誕生日だった。
「誕生日を山奥の廃校で過ごすのもいいだろう」ってことで、予約したらすんなり決まった。
ホームページ上で予約状況を確認できるんだけど、当日朝の段階で「どうやら俺しか予約してないっぽいな」ってのがわかってた。
山奥の廃校に俺ひとりかあ。
でも、言ってもホステルの管理をしている人は常駐してるだろうから、完全なるひとりってわけにはならんだろう。もしかしたら、飛び込みで泊まる人もいるかもしれないし。
なんて淡い期待をいだきながら、チェックインの時間を迎えた。
チェックインと同時に砕かれる淡い期待
ハレとケデザイン舎のスタッフさんが、
「本日は他に予約が入ってないので、多分おひとりだと思います」
「一応さっき問い合わせがあったんですが、『ちょっと確認してみます』と言ってそれっきりなので、多分来ないでしょうね」
と言って笑った。
さらに続けて、
「なお、チェックアウトは明日朝10時までにお願いします。それ以前でしたらいつでも大丈夫ですので」
というので、
思わず「えっ、何も言わずに出てったら良いんですか?」というと、スタッフさんは、「ええ、私も帰りますし、明日の朝10時までいません」と言ってまた笑った。