強烈な違和感を覚えた。
何で便座が下りてるんだ?
何故トイレットペーパーの切れ端が落ちてるんだ?
神様にだろうと何様にだろうと誓っても構わない。俺は宿に来てから一度も便座を下ろして使用してない。
じゃあ誰が使ったっていうのか。。。
でも、これを考えたところで正しい答えが出るわけじゃない。諦めて用を足して、部屋に引っ込むことにした。
再びベッドに潜り込むも、なかなか寝つけない。
途中赤ん坊の泣き声に似た動物の鳴き声が聞こえてきたり、またビタンッと壁に激突する未確認飛行物体の音がしたり。
眠れないので、ひとつひとつ頭のなかで検証してみることにした。
まず最初の「ドンガラガッシャーン」からの「ダダダダダダッ」はおそらく「猿か何か」もしくは「まだ残っていたハレとケのスタッフさん」だろうとアタリをつけた。
きっとトイレの便座も「まだ残っていたハレとケのスタッフさん」に違いない。
ビタンッはきっと「コウモリ」などの空を飛べる動物の仕業だ。
赤ん坊みたいな泣き声も、おそらく何かしらの動物が鳴いたものだろう。
そうやって冷静に考えていくと少し落ち着いていくものだ。「お化けの仕業」である可能性を現実的な思考で塗りつぶしていく。
やがて、「お化けの仕業じゃない」と安心した俺はゆっくりと眠りに落ちていった。