いつもお裾分け下さる近所のおじさんが、鹿の肉を塊でくれた。どうやら俺の散歩コースの少し奥で仕留められた鹿らしい。何でも水神の滝で血抜きをしたそうだ。
みよ、このボリュームを。
上が脚(腿あたり)の肉で、下が尻周辺の肉らしい。
もはや鈍器。痛恨の一撃を連発しそうな鈍器にしか見えないね笑
喜び勇んで、その肉を捌くこと3,4時間。
綺麗なルビーのような、一見すると新鮮なマグロのようにも見えるね。
かなりギリギリまで肉を捌いて、削ぎ落としたぜ(*´∀`*)
正直汗だく。。。昼間に飲んだワインが全部出切った感じがする笑
せっかくなんで弟と母と3人で様々な調味料を駆使して、「何をつけて喰うのが一番旨いのか」を探求してみることにした。
醤油やソース、塩やケチャップ、マヨネーズ。ゆず塩やブラックペッパー、ローストガーリックなどオーソドックスな調味料から始めた。
調味料だよ!全員集合!
他にも「わさび」「しょうが」「からし」「にんにく」などのチューブシリーズも勢揃いさせた。
そこで初めて気付いたのが、鹿肉は主張が少なく、何をつけて食べても合って旨いということだ。
こうなると、用意出来る範囲内でとことん追求したくなるもの。俺と弟は、さらにウスターソース、ゆずポン酢やめんつゆ、味付海苔や梅干し、すだちにマスタード、イリゴマなどを引っ張り出してみた。
気付けば合計30種類以上の調味料が食卓に並んでいた。
それらを片っ端から使い、片っ端から組み合わせながら鹿肉を楽しんでいく。
ちなみにこの時飲んだのは、ドイツグルメッセで買った「ワイン福袋」のアレだ。何と「ジビエに合う」らしい一本が当たっていたのだ。前評判どおり、よく合って旨かった。
「わさび醤油」「にんにく醤油」「しょうが醤油」「マヨ醤油With七味唐辛子」など醤油ベース軍団は鉄板でうまく、マヨソースや甘味噌も相性が良かった。
あまりの旨さに、弟と「旨くないわけなかろう、こんなもの」と大槻ハンチョウっぽい言い回しでゲラゲラ笑いながら食べ進めていく。
そんな中で意外な調味料が驚くほど鹿肉との相性が良いことがわかった。
地味に「これめっちゃ合うやん!」となったのはケチャップね。おしとやかな鹿肉の優しい風味がケチャップのフルーティーな魅力を引き出してくれるのだ。
試してもらうとわかるが、
「えっ、ケチャップってこんなに奥深くて複雑な味わいだったっけ?」と驚くことうけあい。オススメの量はチョコンと肉の上に赤い点が見える程度。これで充分威力を実感出来るよ。
ただね、今回のベストオブベスト、MVPをひとつ選ぶならアレだな。
めんつゆ+梅肉+味付海苔の組み合わせ
お好みで鰹節を軽くまぶすのも有り。
これは凄い衝撃だった。
和風の破壊力は凄まじいね。あっさり出汁でありながら、梅の風味と酸味のアクセント。そこに味付海苔。これが最高に合ったんだな。
細かくいうと、
梅は「美郷の武田さんの梅干し」、味付海苔は「大野海苔」という、俺オススメのメイドイン徳島なラインナップだ。他の梅干しや海苔では再現出来ないかもしれないな。
あと弟的MVP候補は、
香味ペースト(焦がしにんにく)で、たしかにコレも旨かった。ただし、つけすぎると辛くなるのでご注意。
なお、塩系調味料やブラックペッパーなども相性がいいっちゃ良いんだけど、鹿肉自体が大人しめの味だから、つけるなら少し多めのほうが良いと思う。
まとめ
鹿肉は低脂肪高タンパクな筋肉に嬉しい肉であり、実際脂っぽさが皆無。
だから、するすると食べられる。
わさび醤油やニンニク醤油など、あっさりスッキリした味付けのみで攻めたなら、無限に食べられるんじゃないかというくらい軽い口当たりの肉である。
「カレーは飲み物」という人も少なくないが、ならば俺はこう言おう。
「鹿肉も飲み物だ」と。
ところが、どんな調味料とも相性抜群なために色々試していくうちに、マヨネーズなどコッテリした味付けも試したくなってくるというもの。
結局、プラスアルファの調味料のカロリーが満腹感を刺激するので、肉を食べ尽くすことなくこの日は終了した。
まあ、傷む前にいろいろと鹿肉の妙技を楽しませてもらうとするさ。
次はカツかな? ワイン煮かな? シチュー系もいいかな?
万能の肉……それが鹿肉。鹿さん、感服いたしましたm(_ _)m