手前の巨岩に手をかけて、よじ登る。
うん、良い滝。良いアングル。撮影、撮影。

めちゃくちゃ綺麗。水の透明度も素晴らしく、水量も豊富だ。生命の息吹を感じるね。やはり、自然は生き物だなと実感するよ。
深呼吸しながら辺りの植物に目をやる。ふむふむ。なるほどなるほど。もう俺くらいの滝ソムリエになれば、周囲を見渡すだけで、大体滝の味が予測出来るのだよ。


まず俺には「滝の味は周囲に自生する植物によって変わる説」がある。
それが正しいとすれば、この新田の滝は……ずばり!
杉味系統だと思われる。
この予測が合ってれば、俺の自説も少し信憑性が増すんでねえの?
とりあえず巨岩を降りて、滝に近づき、水を汲む。

なかなか見事な透明度。

香りは? なるほど。はいはいはいはい。
ゆっくり口に含んでみる。舌触り、風味を口と鼻で確かめていく。あー、なるほどなあ。はいはい。
かなりクリアでスッキリした口当たり。そして、気になる味は……。